勝敗のコントラスト
〜出越茂毅と大塚翼を
分かったリーチ
【B卓】担当記者:千嶋辰治 2024年10月13日(日)
東家:大塚翼(日本プロ麻雀協会)
南家:川上直也(日本プロ麻雀連盟)
西家:出越茂毅(日本プロ麻雀連盟)
北家:柴原大造(麻将連合)
このゲームが始まった頃。
もっとも勝利に近かったのは間違いなくこの男だっただろう。
北海のオールド・ルーキー、出越茂毅。
サラリーマン、飲食店経営を経て競馬界に飛び込んだ異色の経歴の持ち主。
現在は麻雀プロとして活動する一方、レーシングマネージャーや競走馬を撮るカメラマンとして腕を振るっている。
東2局。ドラは。
親の川上の手牌。
このイーシャンテンから何を切る?
「近藤さんなら2枚切れのを切っていますよね?」
実況の日吉プロが解説の近藤誠一プロの打ち筋に照らして解説を求めたが、川上の選択は打。
出越にビッグチャンス到来。
打としてイーシャンテンとなった。
一手遅れとなった川上だったが、
首尾よく高めのを引き入れてリーチへ。
出越が不運だったとすれば、川上のリーチが2巡遅れたことだっただろうか。
もしも、川上が2枚切れのに嫌気して、あるいはイーペーコーが崩れるのを嫌うなどして打とするなどをキャッチしていたら、出越が、と無筋を連打出来ていたかはわからない。
出越はドラのを暗刻にしての変則3面チャン。
こうなると、
このは止まらない!
キャッチフレーズにある「茶師」とは、日本茶の製造や販売に関わる人のことを言うのだそうで、川上はその道で類まれなる技能を有している。
麻雀プロであり茶師。
こちらもまた、異色の経歴の持ち主だ。
手痛い失点を被った出越だったが、次局、再びチャンスが訪れる。
東2局1本場。ドラは再び。
自風のがトイツで入った出越。
第1ツモでドラのがトイツになった。
さらに、
2局連続でドラのが暗刻に!
そして、
先手が取れた手応えもあり、ここはとのシャンポンで先制リーチを放った。
しかし、すぐに追手が出越の背中に迫る。
プロ歴25年のベテラン、柴原大造。
意を決してとのツモり三暗刻で追っかけた!
互いにツモれば安くない点数をものにできる勝負手。
場の熱がグッと上がったが、ここへさらに勝負に身を焦がす男がやってくる。