石井一馬、裏ドラの祝福を受けて【麻雀最強戦2025 激突タイトルホルダー】観戦記【A卓】文:喜多剛士

石井一馬

裏ドラの祝福を受けて

【A卓】担当記者:喜多剛士 2025年10月18日(土)

グループリーグ10「激突タイトルホルダー」は、各グループリーグの中でも、優れた雀力と実績を兼ね備えた精鋭たちが集結するのが戦い。 団体のタイトルホルダー同士が激突するマッチメークは、麻雀最強戦ならではの醍醐味だ。

それぞれが団体の看板を背負い、譲れぬ誇りを胸に卓へ向かう。 一打一打に宿る覚悟と読み──その先に待つのは、勝ち上がりの栄光か、敗退の悔しさか。

激しい火花が散ること必至のA卓、いよいよ開幕。

日本プロ麻雀協会からは、雀王を連覇して登場の仲林圭。 理詰めの打ち筋と高打点への執念で、団体内外から高い評価を受ける実力者だ。 Mリーグ2025-26の開幕戦では、自身初の役満・四暗刻を達成してトップを獲得するなど、勢いも十分。 その一打には、勝利への確かな計算と覚悟が宿る。

最高位戦日本プロ麻雀協会からは、最高位・石井一馬が出場。最高位戦Classic、蒼翼戦との三冠を達成し、団体内での地位を不動のものに。 さらにMリーグ2025-26では新チーム「EARTH JETS」にドラフト指名されるなど、まさに今、波に乗る実力者だ。

RMUからは、令昭位・河野高志が出場。 十段戦三連覇、麻雀マスターズ連覇、RMUクラウン獲得など、長年にわたりタイトル戦線の中心に立ち続けてきた。その安定感と勝負強さは折り紙付き。まさに“団体の威信を背負う男”として、最強戦の舞台に挑む。

麻将連合からは、将王・忍田幸夫が登場。 通算6度目の将王戴冠を果たし、史上初の「永世将王」の称号を獲得した実力者だ。 麻雀最強戦2025では麻将連合から多くの選手が出場しているものの、連敗が続いている。 その流れを断ち切るべく、ここでの勝ち上がりが団体の意地となる。

 

東1局

石井がドラの【9ピン】をポン。【白】後付けで仕掛けを入れる。

手が進んだ河野が【白】を切り、石井がこれをポンして【2ピン】【5ピン】のテンパイ。 1巡前にドラの【9ピン】を加カンせずに切り、浮き牌と見られる【西】を処理していたことから、テンパイ濃厚と読まれる。 場に緊張が走る。

456の三色が見えていた河野だったが、手組みの中で三色は崩れるが迷わず【4ソウ】【7ソウ】でリーチを敢行。攻めの姿勢を貫いた。

石井が【5ピン】をツモ。【白】・ドラ3の2000−4000で、幸先の良いスタートを切った。

 

東2局

仲林の配牌は、オタ風の【北】が暗刻で遠くにホンイツが見える構成。ただし役牌もドラもなく、仕掛けると打点がないため、リーチを打てる手順を意識した進行を選ぶ。

5巡目に【8ピン】を引き入れ、手牌は字牌と筒子のみの構成に。トイトイイーペーコーも見える形となり、2シャンテンへと進行。

先制は河野。【3ソウ】を引いて【6ピン】【9ピン】待ちでリーチを宣言。

直後に仲林もテンパイ。選択肢は3つ。

【6ピン】ならツモの場合に三暗刻、待ちは【8ピン】【西】のシャンポンで残り3枚。

【7ピン】なら高目イーペーコーだが、【6ピン】がすでになく、安目の【9ピン】が3枚。

【8ピン】なら【7ピン】【西】の2枚待ち。

アガリ率では打【6ピン】が有利に見えるが、河野の5巡目の【5ピン】切りから、【2ピン】【3ピン】【7ピン】【8ピン】のターツ残りが推察され、【5ピン】またぎの【3ピン】【7ピン】のの方が安全度が高い。

仲林が選んだのは、打【7ピン】による【6ピン】【9ピン】待ち。打点・アガリ率では打【6ピン】が勝っていた可能性もあるが、宣言牌の安全度を重視した選択だった。

結果は流局。打【6ピン】を選んだら放銃だっただけに仲林の読みとバランス感覚が光る一局となった。

 

東3局

河野が【1マン】を暗槓。さらに【白】をポンして、早々にカン【3ソウ】待ちのテンパイを果たす。

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