古久根英孝が、Mリーグ最終日の対局を視聴。
その中で印象に残った丁寧な進行と、もったいないと思った選択とは。
黒卓第1試合
■今シーズンのMリーグはテンパイ即リーが増えているが
東1局、小林さんが
を引いてカン
待ちでテンパイするんですけど、取らずにツモ切ったんですね。これはカン
待ちでそのままリーチする人もいそうですけど、1枚切れですし、リーチしない手順は良かったと思います。
東3局には竹内さんが8巡目にカン
待ちでテンパイして、こちらは巡目も中盤だしドラ1あるのでリーチするのかと思ったけど、こちらもリーチはせず。
そのあとに
を引いたところでテンパイを外したのは、なかなか優秀な感じがしました。
結果も![]()
待ちリーチで一発ツモでしたし、相当いい局でしたね。
今シーズンのMリーグは、テンパイ即リーチが増えていると思います。でも、それはアガリにつながりにくいので、テンパイを外したほうがいいときもあると思いますね。この試合は、東1局の小林さんも東3局の竹内さんも、最終形をいい形にしていくという、丁寧な打ち方をしているのが印象的でした。
■日向の鳴きはもったいないのでは
東2局は、日向さんの手が第1ツモでメンホンチートイの2シャンテン。かなりいい手でしたけど、この手で2巡目の
から鳴いたのはもったいなかったと思います。まさか鳴くとは思いませんでした。この局はドラが
で、オタ風の
をポンするとかなり警戒される局面になりますし、結局はホンイツのみの2000点のテンパイ止まりで流局。ちょっと微妙でしたね。1枚目の
も鳴かないくらいのほうがちょうどいいと思いました。
■小林のリーチ前の切り順は良かったが
南1局の小林さんのリーチは、細かい話ですけど、1シャンテンの切り順が面白かったですね。ソーズが![]()
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で、
→
と切ってリーチをしたんですけど、この形だと一般的には
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と内側から切ることが多いんですね。
を切っている人が2人いるから
を後回しにしたのかもしれないですけど、こう切ると![]()
待ちではなく、![]()
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から
→
と切った![]()
待ちに見えるんです。結果は先に
を引いてテンパイしましたけど、こちらが待ちとして残ったときは、この切り順は有効かなと思いました。
リーチ宣言牌の裏スジは基本的に通りやすい、というのはプロの中での共有している読み方です。こう打つと幅ができて出アガリしやすいので、これもいい局でした。
■南1局1本場の疑問手
南1局1本場で、小林さんが![]()
待ちのリーチをかけましたけど、ここはカン2p待ちにしないといけないですね。![]()
はそれぞれ1枚切れですけど、リーチの3巡前に渋川さんが
を手出ししているので、そこに
が入っている可能性が高そう。となると、待ち枚数が
残り1枚だけということになるので、それよりはカン
待ちのほうがいいでしょうね。今日の小林さんは、門前の手順は丁寧で良かったですけど、最後の部分で間違えることがあったように見えました。
この局は日向さんもテンパイしていましたけど、最後にカン
かカン
の待ちを選べるところでカン
待ちに受けました。おそらく手牌変化を優先させたのだと思いますけど、場の状況を見ると、
1枚切れ、
2枚切れなので、単純に枚数が多いほうカン
に取るべきでした。これはもったいなかったですね。結構こういうふうに打つ人は多いと思いますけど、麻雀はベースにあるのが絶対的な確率なので、基本的には1枚でも多いほうを選択したほうがいいと思います。
■勝った渋川のいいところ
この局は最終的に渋川さんがアガりましたけど、1シャンテンで![]()
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の形を引っ張ったのが良かったと思います。
3枚見えで
暗刻も想定していたと思いますけど、後に危なくなりそうだから、先に処理したいと思う人も多いと思うんですよね。こういうところでアガリの手筋、攻めるための材料を全部残しておけるのは、渋川さんのいいところだと思います。

麻将連合所属。
かつて所属した最高位戦日本プロ麻雀協会では最高位を3度獲得するなど活躍。
RMU設立への参画を経て、2010年からフリープロとして対局解説や後進育成などをメインに活動する。
2025年、麻将連合に入会し15年ぶりにプロ業界に復帰、2026年1月より認定プロとなる。














