やっぱり堀慎吾なんですわ【Mリーグ2024-25観戦記 2/13 第1試合】担当記者 渡邉浩史郎

やっぱり堀慎吾なんですわ

文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2025年2月13日

第1試合

東家:小林剛U-NEXT Pirates
南家:堀慎吾KADOKAWAサクラナイツ
西家:浅見真紀赤坂ドリブンズ
北家:松ヶ瀬隆弥EX風林火山

本日一戦目、まずはゲームスタッツから見てもらおう。

序盤こそ8000点の放銃で始まった小林であったが、あれよあれよと加点していき、南入時点ではほぼ原点まで舞い戻る。

そして【南2局】。久しぶりのずるゴー炸裂はドラがいっぱいのハネマンのアガリ。

リーチ0回・和了り5回のいかにも小林らしいスタッツでのトップ獲得となった。

小林の手数が際立った半荘だが、その裏で見せてくれたのはやはりこの男、堀慎吾

1日1堀作戦実行中のサクラナイツ、それだけの信頼感がやはり堀にはある。
それを見せつけてくれたのは、まず【東3局】

小林がオタ風の【南】をポンしてマンズのホンイツ風味の河。堀も見ての通り戦える形。ここでツモ切った【8ピン】に……

浅見から声がかかる。タンヤオドラドラのリャンシャンテンから、2度受けを解消する両面チーだ。
場には2枚目の【5ピン】【8ピン】。ドラが中張牌の【4マン】ということもあり、親の浅見のこの両面チーは他家に緊張感が走るところ。【3マン】を切ってのドラ固定とした。

小林も【發】をポンして手が進む。ここで安全牌の【中】を切っていく。

堀は【3マン】を引いて、ここで【9マン】切り。
浅見には通る【3マン】、小林には今ポンが入ってしまっため不明。
安全度なら今切るのが一番だが、【2マン】引きや【4マン】引き・【5マン】引きで形が残るように、自己都合で残した。

そこに小林が【6ピン】チーで畳みかける。
リャンカンの選択、小林は1枚切れのカン【5マン】ではなく、2枚見えのカン【3マン】を選択した。
浅見の両面チー【3マン】手出しに【2マン】が危ないとの判断が本線。仮に浅見が【3マン】【3マン】【4マン】から【3マン】を切った場合、残り【3マン】は1枚しかいないことになるが、それでも親への高打点を嫌った他家から和了れることもあると考えてのこの待ち取り。

この時、堀の目が小林の河を見た。

すぐに小林から出た【白】をスルーして……

大きく迂回する【白】切り!
堀の目が捉えたものは何だったのか。

まずイーシャンテンを維持する【5ピン】切り、これは小林の現物だが、親の浅見に厳しいと考える。
先に述べたように、浅見は場に二枚目の【5ピン】【8ピン】の両面チーから発進している。
これはマンガン以上の高いチーテンのケース以外にも、浅見視点で【5ピン】【8ピン】が既に厳しいケースが考えられる。
それの最たる例が【6ピン】【6ピン】【7ピン】【7ピン】といった2度受けの形だ。ある程度仕掛けても打点がある手ならば、この2度受けを解消するために動き始めたケースが頻出のため、【5ピン】は切れない。

では【3マン】はどうだろうか。
【白】をポンした聴牌を取らなかったくらいだから、相当小林に厳しいと考えているだろう。
ここで大事なのは小林のチー打【6マン】という情報。【4ピン】【赤5ピン】から【5ピン】をツモ切っていたり、前巡に安全牌の【中】を切っているため、この【6マン】が手牌に関連していないわけがない。
また、小林は両面両面の形であれば、安全牌を残してシャンポン受けを残さないケースもよく見受けられる。
そういった人読みも含めると、出てきそうなのは愚形フォロー。【6マン】【8マン】【8マン】【4マン】【6マン】【6マン】といったシャンポンの形、そして【2マン】【4マン】【6マン】といったリャンカンの形だろう。

特に今回浅見の仕掛けのチー出しが【3マン】。小林が【2マン】での放銃を嫌って枚数が少ないカン【3マン】に受けたケースも十分にある。そう考えた結果が、この堀の選択に繋がったのだ。

もちろん堀だってこの【白】をポンしてマンガンの両面聴牌であれば【3マン】を打っただろう。(それでも止めそうなのが堀の怖いところだが)
自身の手牌価値と読みの挟み撃ちによって、この【3マン】を止めるに至ったのだ。

そしてさらにすごかったのが【南3局】

まずは目下、ラス争い中の松ヶ瀬から先制リーチが飛んでくる。

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