黒い魔術と神の読み…
石橋伸洋と鈴木たろうの
壮絶な叩き合いの結末
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年11月23日
11月23日(祝)は3連休の最終日。名残惜しい連休のトリを飾るのはやはりMリーグだろう。そういえばこの日はVtuberたちによる雀魂での麻雀大会もあったそうだ。そちらもなかなかの盛況だったとのこと。麻雀界が盛り上がりを見せていて嬉しい限りである。
今回は第一試合をお送りする。
東家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
南家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
北家 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
東2局。
和久津の手はこちら。初手に打とした。索子の混一色を強く強く見た一打だ。目指すにしてもとりあえずを切りそうなので力強い。この日の和久津はどこか強い気持ちの表れがあったと思う。
うまいこと索子が集まってきた。ここで打。
場に出てきた1枚目のをポン。打として、混一色北の5200の手に仕上がった。注目は捨て牌である。最後の以外は萬子だらけなので、どういう手かわかりにくいのだ。筒子の染め手の可能性もあり、だとするとドラのが絡むので怖い。
親の石橋の手もかなり整っていた。いまにもリーチが打てそうである。打として両面2つのイーシャンテンに。
和久津は相手にほとんど情報を出さぬまま待ちを継続。
するとその直後に石橋にリーチが入った。待ちは。このリーチに対して危ないと言われていたのが
岡田とたろうだった。どちらも石橋の現物かつ和久津の当たり牌であるが浮いているのである。たろうが手を止めた。を切れば助かるが、岡田からリーチがかかったときに守備力を落とすのも不安要素だ。
ここは守備的にいったがためにを打ってしまい、和久津への放銃となった。
これで和久津が一歩リードを奪う。
東3局一本場。この局はこれまでの中でも屈指の名勝負だったので取り上げたい。
全員にかなりいい手が入っていた。おそらく皆が皆、自分の手がいちばんいいと見ていたのではないか。そうなるとぶつかるのは必至。目が離せない展開となった。
親のたろうはをポン。を落とせば萬子の混一色が見込める。
岡田は面子手にも対子手にも使えるドラのを重ねた。ここでを打ち出す。七対子ならば残しておきたい牌だが、やにくっついての平和系のほうが可能性高そうだ。
石橋は両面リーチをかけたい。を引いたところ、ここで打ならばカン待ちのテンパイに取れたが、それではつまらんとツモ切った。
それをたろうがチー。と落としているのを見せており、萬子の混一色が濃厚となっている。当然の切りでイーシャンテンに持ち込んだ。
誰が先に抜け出すか注目が集まる中で、岡田に七対子のテンパイが入った。打か打かでテンパイなのだがどちらも山にありそうで悩ましい。
岡田は単騎待ちに取った。山にはあと2枚。周りが掴んだら出る可能性が高く、岡田に分のある展開に。
和久津は長らくイーシャンテンが続いて停滞中。この手でをツモったら迷わず打ち出してしまうだろう。リーチ寸前の和久津がピンチになった。