萩原聖人、
雷電を背負った男の一打
文・喜多剛士【木曜担当ライター】2026年5月14日
Mリーグファイナルも残り4試合。 首位を走るEX風林火山が一歩抜け出しているものの、BEAST XとKONAMI麻雀格闘倶楽部も約140pt差で追う展開。 風林火山が抜けてはいるが、上位3チームはトップラスひとつで首位が入れ替わるほどの混戦だ。
そして、大きく離されているTEAM RAIDEN / 雷電。この位置から優勝を狙うには、残り4戦すべてで勝ち切る必要がある。
第1試合
東家:中田花奈(BEAST X)
南家:内川幸太郎(EX風林火山)
西家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
実況:小林未沙
解説:河野直也
東1局
トップが命題の雷電・萩原に、いきなりドラ3・赤の勝負手が入る。
に続いて
も重なり、手牌は副露も視野に入る形になる。5ブロックは揃っているものの、ペン
がどうしても頼りない。ここで
を切って
や
のくっつきを残し、手広く再構成するルートもある。しかしその選択は、先手を取られた後に
や
が切りづらくなり、せっかくの勝負手が牌の残し方ひとつで崩れてしまう。
そんな中、萩原が選んだのは打
。
安全度の高い
を残し、最悪の展開を避けるための一打だった。巡目も浅く勝負手として目一杯に構え、アガリを逃したくない気持ちが強くなる場面だが萩原は、後手を踏んだときのリスクを減らすことを優先し、冷静に
を選択した。
その直後、親の中田は
を重ね、さらにネックだったペン
を引き入れてリーチを宣言。
高目の
なら7700、安目の
なら2000。
そして萩原も追いつく。ドラの
を放ち、勝負のリーチを宣言。
待ちは
・
のシャンポン、山に3枚。枚数も打点も追っかけリーチの萩原が優位で雷電ユニバースの期待が一気に高まる。
しかし、めくり合いを制したのは中田だった。萩原から高目の
を捕らえ、さらに裏ドラが
。リーチ・ダブ
・裏3の18000。
トップが必須の萩原は、東1局にして一気にラス目へと転落した。あまりにも重いビハインド。多くの視聴者が「雷電は終わった」そう思ったに違いない。
だが、この大きな一撃は、これから始まる激戦の、ほんの序章にすぎなかった。
東1局1本場
続く東1局1本場。萩原は最速の手順でテンパイを入れ、そのままリーチを宣言。
山に7枚ある待ちをあっさりとツモ。リーチ・ツモ・ピンフ・裏1で2000-4000の反撃ののろしを上げた。
東2局
さらに東2局では、滝沢の先制リーチに真っ向からぶつけ、リーチ・一発・ピンフ・ドラで8000点をもぎ取った。2局連続のアガリで一気に2着争いへ浮上。絶望的に見えた展開から、わずか2局で見事に返り咲いてみせた。
南3局1本場
南1局では内川から8000点を直撃し、さらに南2局では跳満テンパイが惜しくも実らず流局。そして迎えた南3局1本場へと進んでいく。
萩原に選択の場面が訪れる。 ドラの
が対子で打点は十分。三者から萬子の上が切られ、カン
が良く見える状況だ。一方で
–
は、
が3枚、
が2枚見えており、待ちとしてはかなり苦しい。
萩原が選んだのは
切り。
にくっつく
や
の変化が期待でき、
は裏目になるものの、
を引けば
–
待ちに変化するルートも残る。そして何より、絶好のドラ
引きが来たときにテンパイを逃さない構えでもある。
私自身は、迷ったときはつい最大打点を見たくなるタイプだ。その理由は単純で、最大打点を逃したときの喪失感やメンタルへの影響を少しでも小さくしたいからだ。最後の最後まで僅かな差を精査して最善を探す人もいれば、メンタル面を重視して選択する人もいる。そうした価値観の違いが表れるところも、麻雀の面白さだと思う。













