萩原聖人、雷電を背負った男の一打【Mリーグ2025-26 ファイナル 観戦記 5/14 第1試合】担当記者 喜多剛士

そして次巡に絶好の【8ピン】ツモ。力強くリーチを宣言。

すぐに滝沢が絶好の【4ピン】を雀頭にしてテンパイを入れ、リーチを宣言。 再び、滝沢と萩原のめくり合いとなった。

そして萩原が【1ソウ】をツモ。リーチ・ツモ・ドラ3で4000オールのアガリを決めた。
東1局で18000を放銃からの見事な復活で、ついにトップ目まで登りつめた。

南4局

ついにオーラスを迎え、トップ目は雷電の萩原。優勝条件を現実的に残すトップ条件を満たせるかが焦点となる。2着目のBEAST X・中田はトップとわずか1000点差。ここを逆転できるかどうかで40ポイントもの差が生まれるため、風林火山を追う立場としては何としてもトップを奪いたい局面だ。一方、風林火山の内川は、ここから現実的に着順を上げるのは難しい。それならば、直近のライバルである麻雀格闘倶楽部をラスのまま、雷電がトップでBEAST Xが2着のまま終わってくれたほうがBEAST Xとの差も大きく縮まらず、チームとしては望ましい展開となる。そして麻雀格闘倶楽部の滝沢は、親番の連荘にすべてを託す構えだ。

自身で決めたい内川だったが、その配牌は重く、ブロックも不足している中での打【赤5ピン】。 この形では自力でアガリきるのは厳しい。滝沢に逆転されるのは最悪の展開であり、ここは萩原に鳴いて手を進めてもらいたいという思いがあった。満貫放銃ができない内川はリーチに対して差し込むこともできないため、鳴いてもらうほうが安全でもある。鳴けば手牌も読みやすく、ドラが【9マン】なのでタンヤオドラ3といった高打点のケースも少ない。自身の手を進めつつ、萩原をアシストする意図が見える一打だった。

しかし萩原の手牌は厳しく、愚形ばかりの3シャンテン。【白】【南】が重なれば副露で一気に速度が上がるものの、他の形は苦しいままだ。

一方、中田はイーシャンテン。 受け入れは【1ピン】【4ピン】【2ソウ】【7マン】の4種11枚だったが、【3ソウ】を234でチーして打【2ソウ】。 イーシャンテンからイーシャンテンへの仕掛けではあるものの、受け入れは【7マン】【1ピン】【4ピン】【4ソウ】【5ソウ】【7ソウ】の6種20枚へと大幅に広がった。
シャンテン数の進まない仕掛けはなかなか瞬時に反応するのが難しく、今シーズンの中田はこうした変化の仕掛けを積極的に行っており、その攻撃的な姿勢が好成績につながっていると感じさせる一手だった。

巡目が進む中、中田は【4マン】をポンしてテンパイ。待ちは【4ソウ】【7ソウ】。 親の滝沢も萩原もテンパイしていない状況でこのまま流局すれば、テンパイ料で中田が逆転する。

【6ソウ】ツモで萩原の手が止まる。まっすぐアガリに向かうなら打【6ピン】だが、中田はすでに2副露しておりテンパイ濃厚。この局面、中田に放銃すれば2着に落ちるが、滝沢が連荘すれば勝負は持ち越しとなる。巡目も終盤で、自身がアガリきれるかは微妙。滝沢に託すにしても、もし滝沢がノーテンならテンパイ料でまくられてしまう。
2分もの長考の末、萩原が選んだのは打【4マン】。ここは滝沢に託す選択だった。自分で決めたい気持ちを抑え、他人に託すのは大きな勇気がいる。攻めるにも引くにも覚悟が求められる局面だった。

萩原の【4マン】を滝沢がチーし、【中】後付けでテンパイ。 苦しい展開の中、親の滝沢はギリギリでテンパイが間に合った。

流局かと思われたその瞬間、中田が最終ツモ番で【4ソウ】をツモ。 タンヤオ・赤2の1000-2000。 見事な逆転トップを決めてみせた。

見事に逆転トップを取った中田は、東1局の18000点リードを軸に安定した立ち回りを見せた。東4局では押し返してテンパイ料を取り、オーラスではイーシャンテンから積極的に仕掛けて受け入れを広げるなど、レギュラーシーズンの好調さが戻ってきた印象だ。ファイナルが開幕してチームが2ラスを引いた直後の登場では、その良さが影を潜めて心配されたが、チームの上昇とともに本人も復調。今シーズンの成長を象徴する一戦となった。
3着の内川は、チャンスの少ない中でチームが首位に立ちポイントを抱えている状況ゆえ、非常に難しい立場だった。それでも見事にラスを回避し、オーラスの立ち回りにも見どころが十分あった。
4着となった滝沢は、めくり合いにことごとく敗れる不運が続いた。内容としては決して悪くなかっただけに、悔しさの残る結果だろう。

そして逆転負けで2着となった萩原。東1局の18000放銃で誰もが「終わった」と思ったはずだが、そこから怒涛のアガリを重ねてトップ目に立ち、最後の最後まで試合を動かし続けた。雷電の“面白い麻雀”を体現するような戦いぶりで、観る者を惹きつけた一戦だった。トップを逃したことで優勝条件は厳しくなったが、それでも雷電らしい麻雀で最後までファイナルを盛り上げてほしい。
そしてファイナルは、いよいよ明日の最終日を迎える。
長かったシーズンのチャンピオンが、ついに決まる。

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