渋川式 麻雀通信
──MリーグVer.──
文・小林正和【金曜担当ライター】2024年2月16日
レギュラーシーズンもいよいよ終盤戦へと突入し、熱量も次第に大きくなりつつあるMリーグ。
その傍ら、違った意味合いで世間を騒がせている現象が起きている。
それは
“打牌批判”
もちろんプロとかアマチュア、あるいはMリーガーといった言葉のカテゴリーは存在するが、共通して言えるのは失敗は誰にでも起こり得るという事。
これは先週のMリーグ対局後に発信した滝沢のSNS。
ミスはミスとして受け止め、しっかりと説明しながら意図を共有する。
そうする事で、競技者と観客との間の認識のズレを解消していく印象を受けた。
一方で、本人とは掛け離れた解釈で捉えられる場合もある。
プロの世界と謳っている以上、多少のヤジや罵声は致し方ないと思うが、行き過ぎたものや麻雀とは関係ない発言はお互いにマイナスな感情が残るだけの事が多い。
「井の中の蛙大海を知らず」
狭い知識や経験にとらわれ、自身の範囲内でしか物事を考えられない事。
それが足かせとなって頭ごなしに否定するよりも、打牌の理由を探り、視野を広げた方が新たな発見に繋がるのではないだろうか。
少し重(おも)堅苦しくなってしまったが、ここから先はサラッと読んで頂きたい。
今回はチームポイントを+500ptの大台に乗せ、個人+200ptオーバーと嫌な流れを断ち切るトップを飾った渋川。
その視点に立って皆さんも視野を広げて行きましょう!
第2試合
東家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
南家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:勝又健志(EX風林火山)
北家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
厳選5問。あなたは渋川難波の打牌理由をいくつ見破れるか!?
【第1問】
難易度★★★☆☆
東1局
“一日一跳”と打点力に定評のある茅森が1巡目のをポンしてドラそばの切り。ドラをトイツ以上で持っていそうだが…。渋川は何を切った!?
A. B. C.
【解答・解説】
B.
渋川
「茅森さんの手牌が①ピンズのホンイツ系②スピード系③トイトイ系④ドラドラ系なのか正直分からんなぁて。もし①だったら④の可能性が高いなと思ってドラのをバーンっと切ってやりましたよ!」
…ん!? ドラドラと思って逆にドラを切ったの? って思った方。以下の理由も読んで頂きたい。
渋川
「僕はこの手牌はアガリに向かいたいんですよ。でも茅森さんにもう1副露とか入っちゃうとドラはもう切れないんです。ロンがあるから! 切りづらいから逆に今切ったという感じです。」
つまり、ポンなら良いだろう作戦である。
仮に鳴かれた場合、マンガンツモられても親ではないので失点は2,000点程度。もし通った場合は攻め返そうという意図である。
逆転の発想とも言える。
【第2問】
難易度★★★☆☆
東1局1本場
前局に2,000オールと幸先良いスタートを切った親番の日向からリーチを受けた場面。絶好のツモで高め三色テンパイである。は2枚切れだが、リーチの現物という難しい選択…。渋川は何を切った!?
A.切りヤミテン B.切りリーチ C.切り
【解答・解説】
B.切りリーチ
渋川
「黙っていればはかなり溢(こぼ)れそうだけど、ヤミテンがバレそうだからリーチ! は間違いなんだよね。他の二人の心理は、僕がドラのも切っててでどうやってマンガンになるねんって読むよ。もちろんが3枚切れとかならダマ。たまたま今回はの見た目枚数が多いので、出アガリやツモった時の為にリーチ。」