熱論!Mリーグ【FS第11節】
渋谷ABEMASの悲劇…
背水の松本吉弘に
立ちはだかる3枚の壁
文・masasio【FS第11節担当ライター】2019年3月10日
春の嵐―
3月から5月にかけては、「春の嵐」と呼ばれる台風並みの暴風や猛吹雪になることがある。
これは日本付近に北から入り込んでくる冷たい空気と南から流れ込む暖かい空気がぶつかりあって上昇気流が生まれることで、温帯低気圧が急速に発達するために起こるそうだ。
この日、私の住む愛知県でもまさに春の嵐が吹き荒れていたのだが―
卓上でも嵐が吹き荒れていた。
放銃したのはアベマズ多井。
この多井の無念を晴らすのは・・・
悲痛な面持ちで入場。
若武者、松本吉弘。
ファイナルシリーズ4日目第2試合
東3局に佐々木寿人、勝又健志とのめくり合いを制し、少しリードした松本。
ここから打
「やが暗刻になったらカンでリーチに行きますよ」
という打牌だ。
これはMリーガーの中では珍しく、を切る選手が多そうだ。
ソーズの連続形を活かし、裏目のを引いてもソーズとマンズのくっつきのイーシャンテンに受けられる。
を安全牌候補にできるバランスの取れた一打だと思うが、松本はめいっぱいに構える。
続いて
1枚切れのを残さずここでも受け入れマックスに取る。
これはかなり自然な1打だが、Mリーガーのマジョリティは切りのような気がする。
が2枚切られており、の暗刻に普段より期待できるのもあっただろうか。
安全牌を持たないのは怖いが、この選択が吉と出る
を暗刻にして3メンチャンでリーチ。
この手をアガってリードを広げたいところだが、この男が立ちはだかる。
松本のリーチを受けてイーシャンテンの寿人。
イーシャンテンながらここは無筋のを押した。
もちろん一番受け入れが広いを切るのが普通だが、はリーチの中筋。
を残すことでテンパイできる牌、例えばを引いたときに出るはリーチの無筋だ。
となると、が出ないように中筋のを先に切っておくのも充分あるところだが、寿人はアガれそうな手からはまっすぐだ。
この辺りはこの局の松本に通じるものがある。
そして残したを活かしてテンパイ。
巡目も少ないが迷わずリーチ!!
河底+高めのドラで8000点。
松本7巡目の3メンチャンが放銃になってしまった。
続く南1局
前局は不運だった松本だが、これくらいでは崩れない。