熱論!Mリーグ【FS第10節】
役満は決め手にならない!
攻める前原と園田、
守る多井と亜樹、
勝敗を左右したものとは
文・危険な鬼太郎【FS第10節担当ライター】2019年3月10日
土曜日解説の土田も言っていたが、一戦目の試合の内容がその後の2試合に影響すると言っていた。
昨日の一戦目の一着二着の風林火山とドリブンズは良い成績を収めたが、3着4着のコナミとアベマズは失速した。
それだけではなくて、下位の2チームは初戦だろうが、3戦目だろうがトップを取り続けないとちょっと焦り始める対局となった。
一試合目
多井が東一局から
暗槓後にツモ!マンガンのアガリ。
最下位だったドリブンズがたった3連勝で首位になれた。ならば、多井ほどの実力者であれば、ツキさえ戻ればすぐにポイント差など取り戻せるだろう。
東二局、多井の親番。
多井の第一ツモは
。
この観戦記を観ている方も考えてほしい。この手、
を暗槓するか、とりあえず様子を見て
あたりを切るか。
多井は少し間を置いたが、
を暗槓した。
確実にトップをとりたいのもあるが、やはり
の重なりが大きいように見える。
の暗槓だけでは鳴きを考慮した場合ホンイツ以外では打点が上がらないが、
があれば安全牌や打点アップにもつながる。
実に守備型らしい
の暗槓に思った。寿人あたりならノータイムの暗槓だ。
多井は聴牌したが、ヤミテン。まだまだ攻めてきている選手がおり、甘い牌を切ってもらいたい。
難しい巡目だが、多井の判断は速い。
園田が
を暗刻にして打
のリーチ。
多井の
が手出しなので若干のカン
や、シャンポンを嫌った選択を見せたが、これが多井の当たり牌。
守備の堅い多井がこれほどのリードを持つと、2着以上は確実で1着確率も60%を超えたものだと筆者は感じた。
多井は東3局でも
暗槓のリーチをして高めツモ!
裏を見ずともマンガン。強すぎていよいよ書くところが無くなってくる。最速最強の多井がアベマズの2勝目を上げるか。
東4局、亜樹の親番。
先制リーチ。ドラマタギの![]()
待ち。なかなか出る牌でもなく、親を利用したツモアガリ狙いだ。
多井が聴牌して、ドラの
を勝負する!これには私も非常にびっくりした。
亜樹の
は確かに早めだが、それはドラの
をトイツにしている可能性もある一打だ。だが、自分にドラが2枚ある分、その可能性は低いと思ったのか?
これには驚いた。自分がトップ目なのに、この牌で振り込めば12000ないしは18000の放銃までもあり得る。その酷さに常人は耐えられない。
までも押す。この牌に至ってはドラの
よりも危険な牌だ。亜樹のリーチ宣言牌は
だ。
が通っている今、![]()
の筋がより危険になった。実際亜樹も![]()
![]()
の形に
を引き入れてのリーチだ。
当然それらの危険牌を打った先にはアガリが待っていた。リーチをかけずに赤をツモリ1300-2600。これだけ危険牌を打つならば、打点効率上リーチだと思うが多井はリーチは掛けない。
止めるべき牌があるからだ。多井が他の守備型とは違うのがこの点が大きい。勝負所を間違えずなおかつ勝つ。多井が自分で言っているピヨピヨ打法ではなではなく、これこそが現役最強雀士の一打なんだと感服した。
南一局一本場 親 前原
いきなり前原に化物手が入る。
大三元にはならずともホンイツにすれば18000以上は狙えそうな好配牌だ。
多井がこの手牌から打
。おそらく多井はこの手牌のアガリは速いと見たのではないだろうか。ならば村上の第一打ダブ
にならって第一打役牌。
一巡目こそ一番鳴かれるリスクが減るが、これを前原がポン!
前原はさらに
もポン!
トイトイや、字牌は警戒されやすくはなるが、小三元ホンイツトイトイで24000まで延びる可能性もある。なら、ツモに賭けても悪くはない。
流石の剛腕前原。自力で
を暗刻にして打
。最低打点を18000に定めた。
園田がこの手牌から打
。絞るのも少し速い巡目に思え、自分のアガリの目を消したくはない。一巡でも遅くなれば切れなくなる牌だ。粘り腰のある園田からすれば必然の牌に見えた。














