役満は決め手にならない!攻める前原と園田、守る多井と亜樹、勝敗を左右したものとは【熱論!Mリーグ/FS第10節】

前原が確定大三元聴牌。ここは少しでもアガル確率を上げるために打単騎に受けた。

これに困ったのは大トップ目の多井。

守備的に打ったはずなのに安全牌が一つもない。

どう低く見積もっても前原はトイトイ役役の12000。もしくはホンイツトイトイで18000。小三元ならば24000。大三元ならば48000だ。

ホンイツトイトイの臭う前原に対してはこれしか打てない。

自分で2枚持っているだ。これならホンイツには当たらないしトイトイにも当たらない。多井の言うところの端っこ2枚アタックだ。

そこで前原。

自分の筋とはいえ、やはり他家から見れば前原はホンイツに見える。打の直前に通った単騎に受けた。多井の長考からの打もトイツ落としに見える。それに賭けてもいいぐらいはよくない待ちだ。

 

 

安全牌に窮した多井が打。これがまさかの大三元。48000の放銃。

目を覆いたくなるような痛い放銃だ。そしてコナミにとっては起死回生のアガリ。昨日アガリ放棄をしてラスを取ってしまった前原。その忘れ物を取りに来たかのような電光石火の役満だった。

続く南1局2本場、前原の親。

を暗槓してリーチ!

同じような局面で、多井はヤミテンにしたが前原にはそれが無い。自分有利な局面でこそ自分の聴牌を教える。他家に降りてもらっても構わない。

普通ならば誰もが降りる局面だが、亜樹の手が予想外に伸びてしまった。

亜樹がリーチツモドラ6の倍満のツモアガリ。まだまだ場は荒れる。珍しすぎる荒場だ。

南2局一本場

園田が常識外の仕掛けをする。

からのポンだ。皆様の多くはこのポンの発想すらもないのではないかと思う。私も最初は意図すらも分からなかった。

園田は打点が欲しい。ならこの手から想像できるものは?

①9の三色同刻。無理だと言われるかもしれないが、可能性の一つとしてを鳴いた。鳴かなければ打点の期待値も上がらない。

②やはりトイトイか。これがオーソドックスに見える。

ホンイツ。流石に遠すぎるか。

 

その後、を鳴いた園田は聴牌取らず。

まさかホンイツになるとは思わなかった。この巡目ならば必然の聴牌取らずだ。打点が満貫になるのが偉すぎる。

そのホンイツをリーチしている亜樹からアガル!

配牌からのポンからのホンイツはまさに奇想天外な仕掛けだ。観ているものも園田の仕掛けから目が離せなくなる。

南3局一本場、園田の親

前原がリーチ

手牌だけならばが1枚切れや、の良し悪しに判断ができないのでダマテン切りになると思うが、前原はリーチ。自分が有利な局面だからこそ攻める。それが前原雄大だ。

ただこのリーチが亜樹のホンイツにつかまってしまう。

役役ホンイツの8000!前原に詰め寄ってオーラスを迎える。

オーラス

親の亜樹がリーチ!

を先切りしているため、攻めている人からの切りも期待できそうな待ちだ。

亜樹にマンガンをアガられたら苦しくなる前原も追っかけリーチ

待ちの変則手だ。この手は自分が有利だと思っているからリーチを掛けた訳ではない。ここで勝てれば100%1着になれるし、リーチに負けて亜樹に連荘されてももう一局ある。そんな打算的なリーチだ。

しかし、前原は亜樹に放銃。

この5800の放銃で亜樹が逆転。前原も続く一本場では逆転できず亜樹がトップになった。

対局後、役満をアガったのにトップになれないなんて酷いというコメントがあった。

私はまったくもってそうは思わない。その理論で言うならば、役満を打つほうが酷いはずだ。

前原にしかできない放銃とアガリを繰り返した結果の2着。残りの試合でも同じような打ち方をして前原にしか取れないトップを取ってくれるはずだ。

何気にMリーグの決勝戦では初役満。

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