狙い通りを重ねたというわけだ。
そして待ちは端牌のではなくを選択。
近藤が2巡目に、寿人が2巡目にをツモ切っている。
場に高いマンズよりも使われていなそうなソーズで待ったほうが良いという判断だ。
恐らく3巡目の長考で方針は決めていたのだろう。
一連の選択は流れるようにノータイムだった。
三度目の正直でツモアガリ。
麻雀IQ220を誇る勝又らしい針の穴を通すようなアガリだ。
このアガリが、勝又の、そしてEX風林火山の反撃ののろしとなる。
はずだった。
南1局
まずは寿人が先制リーチ。
ピンフ赤ドラの充分形。最近の寿人の好調をうかがわせるようなリーチだ。
さらに近藤も追いつく。孤立していたをギリギリまで残しての芸術的な三色確定のリーチだ。
近藤は目下個人首位。ここまでいまだラスは引いておらず、驚異的な強さを見せている。
この試合はここまでアガリが出ていないが、親番でしっかり手を育ててくるあたりさすがと言わざるを得ない。
2軒リーチを受けた勝又。
押し返したい手ではあるが、が3枚切れ、が2枚切れで少し苦しい。
普通は1枚切れのを切ってオリるところだろうか。流局でもう1局となれば良いし、近藤が寿人からアガるのも悪くない。
また、粘るならを切る手はあるだろう。
寿人の現物で、近藤はを2枚手出ししてのリーチだ。はそこまで危険ではない。
もし残り1枚のやを引けばを勝負ということだ。
しかし勝又の選択はそのいずれでもなかった。
そして画面から悲鳴が聞こえてきた。
まっすぐアガリに向かう切りだ!!
は二人に通っていない。完全な無筋。
そしてこれは寿人へのマンガンの放銃になる牌だ。
解説の土田、黒沢ともに「普段の勝又なら切らないと思った」と口をそろえた。
この切りは麻雀IQ220の勝又がはじき出した正解だったのだろうか?
どうしてもトップを取らなければいけないというプレッシャーに負けた一打ではなかっただろうか?
私には2月10日に滝沢が放銃したあの切りと重なって見えた。
これがMリーグのプレッシャーなのだろうか。
これがチーム戦のプレッシャーなのだろうか。
真相は分からないが、8000点を失ったという事実は変わらない。
幸いにもまだ親番がある。前を向いて戦うしかないのだ。
南3局
勝又とラス争いの近藤が2フーロ
まずはをポン。
続いてもポン。
いつかの大三元が頭をよぎる。
勝又もテンパイ。
勝又の目からが4枚見えており、は絶好の待ちに見える。
当然リーチに踏み切るかと思ったが、ここは慎重にダマテン。
仕掛けている近藤の現物待ちに構えた。
この親を落としてしまうとトップは絶望的になってしまう。
もはやこの選択が、慎重で良い選択なのか、消極的で良くない選択なのか、判断がつかなくなってきた。
しかし、いったんはダマテンを選択したが、次巡ツモ切りリーチを敢行。
近藤がかなり迷いながら手出しを繰り返しているのも後押ししたか。