そもそも勝又はトップを取らなければいけないのだ。親でピンフのみをアガっている場合ではないだろう。
勝負に出た勝又だったが、麻雀の神様は残酷だった。
園田がリーチ宣言牌のを合わせると、近藤が待ってましたとばかりに「チー」
小三元には受けずに現物のを切って待ちのテンパイに受けると―
すぐに勝又がを掴んでしまった。
勝又を、EX風林火山を絶望の淵に突き落とすマンガン放銃。
トップどころか、3着まで倍満ツモ条件でオーラスを迎えることになってしまった。
オーラス
倍満ツモ条件などそう簡単に入るわけもなく流局間際。
残りツモは1回、勝又にしてみればテンパイを取って1ポイントでも回復したいところだが・・・
テンパイを目指して切ったに寿人の手が開かれた。
中ドラ3赤2の12000点に放銃。
逆に12ポイントを失うこととなってしまった。
一部では、この切りが寿人への差し込みではないかという意見があったようだが、風林火山にとって麻雀格闘倶楽部はライバル。ポイントは離されているがボーダーを争っている相手だ。
一方7位のドリブンズは順位こそ近いが、ボーダーより下のチーム。
どちらかといえばドリブンズがトップを取って、ボーダーが少しでも下がったほうが嬉しいに決まっている。
このでの放銃は単純にテンパイを目指した結果だと考えて間違いないと思う。
試合を終えて沈痛な面持ちの勝又。
IQ220の頭脳は、どの局面を思い返しているのだろう。
やはり南1局の放銃シーンだろうか。
それともこの半荘に反省すべき点はなかったという結論を出すのだろうか。
「1日2半荘、どちらかでトップを」
勝又の意気込みもむなしく、EX風林火山は痛恨の3着4着で1日を終えた。
6位Piratesとは390ポイント差―
野球に例えると6.5ゲーム差まで開いてしまった。
残り14試合での6.5ゲーム差はまだまだ望みがあるだろうか。
「メークレジェンド」
冒頭で紹介したプロ野球2008年シーズン。
逆転優勝を演じた読売ジャイアンツは、残り14試合の時点では、実は首位に立っていたのだ。
レジェンド、つまり伝説を超える逆転劇を演じなければ、EX風林火山はセミファイナルに進むことはできない。
伝説を超える奇跡を何と呼べばよいのだろうか?
その答えをEX風林火山の選手たちが示してくれることを信じて、残り14試合を見守りたいと思う。