あのマイちゃんに限って…もしも親友が“クスリ”に手を出したら⁉︎【百恵ちゃんのクズコラム】VOL.20

あのマイちゃんに限って…

もしも親友が

“クスリ”に手を出したら⁉︎

【百恵ちゃんのクズコラム】

VOL.20

 

お勉強

百恵ちゃんは結構、勉強ができた。
自分で言うのもなんだが田渕家は賢い人間が多い。

しかし努力型では決してない。自己顕示欲がずば抜けていた百恵ちゃんは学校の授業で問題を解いた順から待ち受けている先生に持っていって添削してもらうというシステムが大好きだった。
そして一番であることはもちろん、二番目との差を開くことに日々全力を注いでいた。

その頃、百恵ちゃんはなぜかたまにしか家庭学習をしてない自分に誇りを持っていた。家庭学習を毎日毎日コツコツやっている人たちを見下していたのだ。

たまには家庭学習でもやってみてやるかと思って進研ゼミの通販学習をはじめてみても9ヶ月間一度も封をあけないまま退会した。

テスト期間中は部活が休みになるため暇だなぁと思いながら勉強に手を付けてみるもののすぐに眠くなってしまうため家にあったアイスコーヒーのブラックを一気飲みしたこともあった。が、あまりの不味さに口にふくんだコーヒーをそこら中に撒き散らし大惨事となった。あれ以来コーヒーは一度も飲んでいない。

もちろんそんな状態が続くはずもなく中学校2年生の頃から徐々に抜かされはじめ、一番でなくなった百恵ちゃんは勉強に対する興味を失った。

そしていつも家庭学習を頑張りながらも二番手だった子は有名大学の医学部に進学した。

その頃、百恵ちゃんはニートだった。

百恵ちゃんは努力や継続がいかに大切かを身を持って思い知らされたのだった。

が、やはり努力も継続も苦手だ。

おくすり

社会人になった百恵ちゃんとマイちゃんは離れて生活するようになった。
地元を離れてすすきのでたくましく働くマイちゃんはとても輝いて見えた。この頃のマイちゃんはお店のナンバーワンになったり、雑誌の表紙を飾ったりと順風満帆だった。

しかし、マイちゃんの家に久しぶりに遊びに行ったある日のことだった。
冷蔵庫を開けると玉子を入れるスペースに何本にも及ぶ注射器のようなものがあったのだ。

ついにクスリに手を出したか

百恵ちゃんは頭を抱えた。
日頃の素行不良に加え突拍子もない行動に出るマイちゃんではあったが、まさかこんなことになってるとは思わず百恵ちゃんはパニックになってしまい、そっと冷蔵庫を閉じ、家に帰った。

それから色々と考え、葛藤した。百恵ちゃんは夜のお店のことはわからない。スナックでアルバイトをしたこともあるが、そこはソファのベロアが剥がれているのをテープで貼っ付けたりしているような場末のスナックだったし、マイちゃんが働いているのはすすきのの高級キャバクラだ。全く別の世界だ。

思えば、百恵ちゃんが太鼓判を押すくらい性格が悪かったマイちゃんが簡単に社会に溶け込めるとは思えなかったし、しっかりと教育を受けてきた人間よりも受けるストレスは比べものにならないだろう。なんせこのご時世に漢字が読めないのだ。

そんな彼女を憂い、悩んだ。

”しかしこのままではマイちゃんがジャンキーになってしまう”と、長い間悩みに悩んだ結果、百恵ちゃんは意を決して話をすることにした。

まじめな話をするのはすごく久しぶりだった。

中学生の頃、百恵ちゃんが他のお友達とお揃いのキーホルダーを付けたことに嫉妬深いマイちゃんは激昂しこれ以上ない程の汚い字で

 

「したしきなかにもれいぎアレ!いじょう」

 

という手紙を渡してきた時に話し合った以来だ。

「ねぇ、マイちゃんクスリやってるでしょ、、ほら冷蔵庫の注射器、、」

百恵ちゃんが言うと数秒の沈黙ののち、

 

 

「あれ歯のホワイトニングに使うやつだけど。え、ばかなの?」

 

と返ってきた。

百恵ちゃんは死にたくなった。

よくよく考えればマイちゃんが社会のストレスなんぞに屈する訳がなかったし、そもそも何もしていない状態でも常に頭はパッキパキなのだからクスリなど必要なかったのだ。

頭がおかしいために頻繁に薬物使用を疑われるマイちゃんではあるが、百恵ちゃんだけは一生潔白を信じてあげようと心に決めた。

 

次回は3月12日(木)午前0時更新予定‼︎

【田渕家登場人物紹介】

父 コージ:元陸上自衛隊幹部高卒ながら佐官まで登り詰めるも「髪型が奇抜すぎる」という理由で100年に1度あるかどうかの異動の内示取り消しをされた経験がある。現在は三度目の暖かな家庭を築いている。

・母 イクコ:美容師。美容室を自宅で開業するもパチンコにハマり開店休業状態を約20年続けた猛者。おそろしいほど料理が下手。ツーブロックにしたことがある。近況を知らせる連絡では年下のペンキ屋さんとお見合いをしたらしい。

・姉 タエ:無職。1度も定職に就いたことがなく家賃を滞納してはクビが回らなくなりお父さんに払ってもらいに帰ってく るお調子者。過去に大きな交通事故に遭いウン百万円もの保険金を手にするが全てホストクラブに費やした経験がある。

・エリー:田渕家の飼い犬。詐病のプロ。足をひきずったり弱ったふりをしては人間に甘やかしてもらう。動物病院で『至って健康』という診断をされるとそれまでの弱りっぷりを忘れ、凛々しい顔で帰ってくる。趣味は父の顔に噛みつくこと。オスだが思いつきでエリーと名付けられた。

・マイちゃん:母親同士が同じ美容師で仲が良く、物心がつく前から一緒にいた幼なじみ。かなりの美人だが偏差値は2くらいしかない。現在は3人の子供を産み働きながら育てているが一度も結婚したことはなく、更に子供たちは全員父親が違うという斬新なファミリーを築いている。そして最近ロシア人の子供を産んだばかり。

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