文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2025年3月6日

第1試合
東家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
南家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:小林剛(U-NEXT Pirates)
北家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
オーラスの練習のための、変則麻雀というものができないかと考えていたことがある。
・25000点持ちスタート。南場想定
・和了った人が親になる
・瞬間トップになる和了り以外をしてはいけない
・倍満ツモでもトップを捲れない人が出るか4000点以上離れた親がノーテン流局した時点でゲーム終了
↑のように、既存のルールから着想を得た単純なものなら考えついた。
しかしこれはリーチ棒付きマンガンを親に打った時点で26000点差がついてゲームが終了してしまうことから、日の目を見ることはなかった。
何か体系だった形でオーラスの練習ができる、画期的なルールはないものか。ぜひともみさんの意見を聞いてみたいところである。
さて、なぜオーラスの練習の話をしたかというと、やはりそれだけオーラスには着順に直結する選択が含まれているからである。オーラスの経験値こそが打ち手の積み重ねそのものと言っていいだろう。

本日一戦目、オーラスは全員集合とはいかず、ほんのり集合ムードから始まった。
4チームともどんな点棒状況でもトップが絶対といった追い詰められ方はしておらず、むしろ連対で節消化することに重きが置かれてもおかしくない。

ボーダー上のABEMASとて同じこと。5200上の本田を狙いたいが、すぐ近くの小林が気にかかってしょうがない。ドラドラをもらった配牌は重なりで仕掛ける未来を見ての
から切り出していく。

を引いたところで対子手一本とする
切り。
が重なってもどうせターツオーバーで切ることになりそうな
。なら先に切っておいて少しでも七対子にマシな牌を残そうという選択だが、カン
ロスも
引きも痛さが伴うため、素直に
切りもありえたか。

手は進まないまま、8巡目。
ここで前巡切ったを残して今通った
を切る。

やはり不穏なのは本田の河だろう。
の両面落としが見えている上、
ツモ切り→
手出しによって七対子も否定されている。
七対子のリャンシャンテンからでは一手手出しが入った本田とは戦えないという判断だ。

しかしイーシャンテンになったことでまた話は難しくなる。本田の両面落とし後の→
→
という手出しを見て単純な
は出てきにくいだろうと
を切る。
しかし安全牌チックに持たれていたであろう本田の切りでさらに場は熱くなっている。

あれよあれよとなんと聴牌。確定トップの地獄単騎であればとを押し通す。

これに本田がでチー。打
で聴牌を入れる。

次巡、日向が持ってきたのは。

もう一度本田の仕掛けと河を見てみよう。
まずはブロック読みから、手牌の中に4ブロックあるわけだが、内2ブロックはの切り出しからマンズで2ブロック使われていることが多そうだ。今回は役牌が全部見えているため、残り2ブロックはピンズかソウズになることがほとんど。両方ピンズブロックというケースも相当薄いため、片方はソウズブロックになりそうだ。
ではここで改めてソウズの両面落としを考えよう。まず単純なの二度受けから
となったケースは
ツモ切りが否定しているためない。
123の三色にチャンタが絡むのケースはあるだろう、その場合は
が通りそうだ。
もう一つは赤との振替、から
切り→
ツモ切り→赤と振替のパターン。このパターンなら
残りのパターンが出てくる。

小考ののち、日向はを切っていった。山に確実に一枚いるであろう
よりも
が当たる確率+山にいるかもしれないの二つに託した。

しかし結果は親の元太のリーチが入って全員降ろされての流局。勝負は次局にもつれ込んだ。

【南1局1本場】、供託と本場で3900で同点トップとなった日向。

しかしそれでも目指す道は連対ベース。切って
とドラ
を受けれる形にはせず、トップは直撃か
引きの形に託す。