文・カイエ【火曜担当ライター】2025年12月9日
実況の松嶋桃が紹介していた通り、これまでのMリーグにおける個人最高到達ポイントは、2021年2月23日に佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)が第1戦終了時点に記録した516.7Pである。
時は流れて2025年12月9日。
この対局でトップを獲れば、おそらくその記録を塗り替えるであろう、圧倒的ポイントを保持する男が登場した。
STOP the NAGAI
現在のMリーグの焦点の一つが、この「三河の猛将」を誰が止めるかであるといっても過言ではないだろう。
(9・3・2・2)という着分布で断トツの成績を収めているこの大型新人は、Mリーグが発足した時点ではまだ、プロでさえなかった。それが今では一躍、時の人。特に直近の手の入り方と強さは神がかっている。
そんな「かつて無名だった男」に対峙するのは
第2試合
東家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
南家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
西家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
北家:永井孝典(EX風林火山)
序盤の絶不調から不死鳥の如く蘇ってきた茅森早香。
オリジナル7のドラ1にして、ドラフトにおいて「最初に名を呼ばれた男」園田賢。
そして、一時期の不振から完全復活を遂げた初代MVP多井隆晴。
永井からすれば、もちろん相手にとって不足なし。
世間の空気的にも、初めて「迎え撃つ」立場として、ビッグネームを返り討ちにしてくれようぞ。
東1局
配牌から
を暗刻にしていた多井の手が育つ。
西家ドラの
と
が浮いているかたちだったが、まずはツモ
でドラを確保。
さらに
まで使えるようになり、選択。
打
なら
と
のポンのしやすさ+三暗刻まで狙える。
しかし場にはすでに
が3枚切れている。
ここはリャンメンを残す
切りとした。
まあ、こういうこともある。唯一の裏目を引き、捨て牌に
が3枚並ぶも、
結果的は同じ待ちの
と
のシャンポンでリーチ。これが山に3枚残り。
そして次巡、
ツモ! 4000・8000!
高目の
を一発でツモり、リーチ・一発・ツモ・
・
・ドラ・赤・裏の倍満が炸裂した。
多井独特の低音ボイスではなく、高らかに点数申告。
いつになく気合いが入っていると見えた。
東3局
永井も負けてはいない。
4連形が2つに赤もある好配牌から、
急所の
を埋めるとあっという間の4巡目リーチ。
–
待ちは山に5枚。
やはり勢いはこの男か。
しかしここは脇に流れたのと王牌に2枚格納されておりひとりテンパイで流局。
勢いに翳りか。
東4局1本場
親を迎えた永井。
字牌の切り出しにも関わらず、手牌はチャンタ系。
ドラの
にくっつけ、リャンシャンテン。













