ファイティングポーズは
下ろさない!ハイレベルの
押し引き合戦を制した
岡田紗佳、2年目の初陣
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年10月5日
10月、ついにMリーグの季節がやってきた。Mリーグ2020がいよいよ開幕。あの感動が再び蘇る。
Mリーグの記事ではご無沙汰となります。山﨑和也です。今年もMリーグの観戦記を務めます。よろしくお願いいたします。筆者はMリーグが始まるまでの間、流行の『雀魂』で腕を磨いていました。もうすぐ雀聖が見えてきたところでのある日、圧倒的トップの状態から緑一色を振り込んだのを機に現在休止中。もっぱら観戦メインで麻雀を楽しんでいます。
それではメインに移る。今回は2戦目の模様をお送りする。対戦者はこちらの4人。
第2回戦
東家:藤崎智(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家: 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
昨シーズンではまさかの苦戦を強いられたEX風林火山。シーズン途中から不調に悩み、Mリーグないし麻雀の怖さを思い知らされた。2戦目は勝又が登場。開幕戦でトップを飾った二階堂亜樹に続けるか。
TEAM雷電からは萩原が出陣。2年連続でファイナルシリーズを逃しており、今シーズンこその思いは強いことだろう。新規メンバーを獲得しなかったのは、なんとしてでもこのメンバーで勝ちたいという、絆のようなものさえうかがえた。
昨シーズンは桜旋風を巻き起こしたKADOKAWAサクラナイツ。新メンバー堀慎吾を獲得し、ますますチームの層が厚くなった。昨シーズンに勝負強さを見せた岡田が、新入りにMリーグのイロハを伝授すべくフィールドに向かう。
KONAMI麻雀格闘倶楽部も昨シーズンは大暴れしたが、もう一歩届かずファイナルシリーズ進出を逃した。開幕局に出陣した高宮まりのリーチが不発に終わったものの、藤崎が忍びの術(ダマテン)で挽回を図る。
4者が卓上の前に座り、深々と頭を下げて戦いが始まった。美しい光景だ。
東1局。
この局は岡田の手作りが秀逸だった。上図、をツモったところで何を切るか。
ここは2枚見えているを切った。代えてを頭に残しておき、を鳴いて2000点に仕上げるのも見えるだけに、大きな一打に思えた。
高打点の手にまとまっていたのは親の勝又。ドラのを引いて12000点が見える手になった。打とし、リーチやタンヤオを狙っていきたい。
次巡にが埋まって打。カン待ちのテンパイに取らず、鳴いてタンヤオでアガれるようにした。イーシャンテンながら思わず舌なめずりをしたくなる手で、勝又が一本取ったかに見えた。
ほどなくカンを鳴けて待ちの両面テンパイに。
しかし岡田がド急所のを引き入れ、待ちのリーチをかけた。打点こそ勝又に負けているが腐っても両面。十分に勝機はある。
なんとリーチ一発目で勝又が掴んだ。これはさすがに止められず岡田に放銃。
リーチ一発ドラ1の5200点。を鳴く姿勢であればこのアガりは生まれていなかっただろう。を落とす構想が功を奏した。
東2局も主役は岡田だった。
5つ対子がありつつも、順子手としてもまとまっている、よくある悩ましい局面だ。七対子を取るか順子手を取るか。
少考後、力強い手つきでを卓上に滑らせた。先ほどの験を担いだわけではないだろうが、落としを選択。七対子を見切ってアガりやすい両面待ちを狙っていく。親で七対子を狙うのは少しやりづらいというのもあったか。
このあと狙い通り、と有効牌を引いて待ちとなった。麻雀の神様は正解を選ぶものに優しい。一発でをツモり、4000オールで一気に差を広げた。一発が2連続とは勢いよし。
今回の解説と実況はもうMリーグでおなじみの土田浩翔プロと小林未沙さん。東2局終了後に卓上トラブルがあったため、一時中断になったのだが、土田プロは「びっくりしたんでしょ?麻雀卓が。一発、一発で」と笑いを誘って場を繋ぐ。気がつくと東2局1本場の準備が整っていた。今年も安定感のある進行で視聴者を楽しませてくれそうだ。
南1局2本場。このまま岡田の独走を許すわけにはいかないと、ここから男達が牙を剥く。藤崎が大チャンスの手を得て上図から打。平和系の手にまとまりそうなので、そうなれば得意のダマで仕留めることもできる。
を引き入れて広いイーシャンテンに。土田プロも「忍者できる」と期待を込めた。
さらにを引いてテンパイ。を切るわけだが、この場合はリーチがよさそうだ。打点上昇の面で変わってくる。に代えて仮にを引いたら平和ドラ2赤の満貫手だったので忍者できただろうか。おわかりかと思うが、忍者とはダマテンのことである。
いよいよ反撃開始に思えたが、実はこのは山にあと2枚しかなかった。しかも勝又が一発でを引いたため、残るはあと1枚のみ。これは不運としかいえない。
対抗馬は勝又。を引いたところで隠し持っていたの4枚をパタッと倒す。