竜虎相打つ　多井隆晴と園田賢の卓内・卓外攻防戦【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/9 第2試合】担当記者 カイエ

茅森はピンズのホンイツ。
いまをツモって、一通もつけば満貫が狙える。
それでも普通はを切ってとのポンテンの余地を残したいが。

ここは単に黒と入れ替えて、２度受けの––に固定した。

実際、永井の手はのポンテンで5800点のテンパイが入るかたち。
確かにリャンメンチーからの発進で、役牌がありそう。
すでにかかしか残っていなかったため、茅森は絞り気味に打ったのだろう。
これが局面を大きく動かす。

間隙を突いて、園田が好形テンパイ。
切りリーチで高目イーペーコー。

ツモ！　4000・8000！

多井に続き、園田も一発でツモアガり、再び倍満が炸裂。
リーチ・一発・ツモ・タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・赤・裏。
卓上の魔術師が長い呪文を詠唱し、永井に対して8100点の親かぶりを決める。

多井の下家に座らされ、仕掛けに対応されて鳴けなかった永井。
茅森のの絞りもあり、あたかも「永井包囲網」が敷かれているかのような一局で早くも東場が終了。

東場で子の倍満が２度出現するというのもなかなか記憶にない。

南1局

局後のインタビューで披露された、園田の判断が面白かった１局。

まずはくっつきのイーシャンテン。亜両面と中ぶくれなら後者が優秀と教科書に書かれているが。

まず親の茅森がを仕掛けており、さらに３巡目にを切っていることから、ドラのがトイツ以上であってもおかしくない。はのちのち危険になりそう。

さらに多井と永井がを早くに切っていての場況が良い。
に狙いを定めたのならば、最終形は–が理想なのでここでは切りとなった。

などと冷静に解説している場合ではない。

え、特別ゲスト：東出昌大？？
なんなん？ なんでなん？

聞けば、昨年から「その研」のメンバーシップにも入っているのだという。木村拓哉といい、藤木直人といい、俳優界でもＭリーグは認知されているようだ。オフにはプロ野球選手を招いての特別対局が恒例化しているが、萩原聖人を加えた俳優バージョンもぜひ観てみたいものだ。

そして狙い通りにをツモって切りダマ。ピンフのみの手。
２着の多井とは100点差。少しでも点差をつけたいところだが、親の茅森に注目が集まっている現局面。茅森の現物待ち–は、ダマテンならすぐに拾えると判断した。

だが数巡後、茅森がをチーして園田は考える。茅森３巡目の切りは、ドラ固定ではなく、ドラ受けリャンメン固定だったとこの鳴きで判明したのだ。仮にドラがトイツだとして、から第３打にを切るだろうか？

少考後、園田はダマテンを続行。親の手が高くないとなればツモ切りリーチをして打点を上げに行く選択はあった。このあたり非常に難しい。

その時、多井にも大物手。
ドラのを暗刻にして、ツモり三暗刻のテンパイ。西家につき、出アガり満貫も。ツモればハネ満まであるテンパイは、という真ん中の並びシャンポンにも関わらず、驚異の山に４枚！
デッドヒートを繰り広げる園田と多井。４対４の決着は？

両者ダマテンの勝者は、園田。ツモ・ピンフ＝400・700は、到底決定打にはならないものの、多井の決定打を防いだともいえる価値あるアガリに。

南2局

園田と多井の熾烈なトップ争いは続く。

まずは多井が先制テンパイ。
ダブ・赤の3900点。–待ちは山に４枚。

園田もすぐに追いつく。
–待ちは山に５枚。

互いにマンズの同じスジ待ち。
竜虎相打つ。
息詰まるめくり合いに、多井も園田をガン見する。