「百恵ちゃんのクズコラム」の次の次くらい人気!稀代のゲス雀士・仲林圭、プロ試験を受けに行く。【仲林圭のゲスコラム】VOL.5

「百恵ちゃんのクズコラム」の次の次くらい人気!稀代のゲス雀士・仲林圭、プロ試験を受けに行く。

【仲林圭のゲスコラム】

VOL.5

こんばんわ。また木曜日がやってきた。コラムのお時間だ。仲林はこの二日間風邪をひいていて家から出ていない。していたことは「Mリーグ」と「まどかマギカ」を見たことぐらいだ。

Mリーグは本当に面白かった。園田賢さんの仕掛け、多井隆晴さんの卓上コントロール、朝倉康心のラスを受け入れる差し込み魚谷侑未さんの四暗刻やコバゴー(小林剛)さんの500、1000など、見どころ満載で本当に面白かった。ゴーさんをオチに使ってみたけど、かなり滑ってる感じがする。ゴーさん滑らせてごめんなさい。残り試合も少なく、ピリピリする対局が続くだろう。残り三日間見逃せない。

今回、私が話がしたいのは「まどかマギカ」の方だ。「まどかマギカ」を皆さん見たことがあるだろうか。私もスロットでしか見たことがなかったので、内容はそこまでわかっていなかった。はっきりいう。めちゃくちゃ面白い。萌え系のアニメかと思いきや、一ミリも萌えない。暗い、重い、ダークファンタジーストーリーだ。映画まで見たが映画も最高だった。是非見て欲しい。ネタバレになるのでこれ以上は話さないでおこう。

さて、本題に行こう。

当時は11年前。もちろんAbemaTVも無く、麻雀放送などモンドTVしかなかった時代だ。プロの対局を見るためにはわざわざ対局会場まで見に行かなければならなかった。有名なプロと言えばやはり日本プロ麻雀連盟のプロが多く、日本プロ麻雀協会は鈴木たろう&鈴木達也のW鈴木ぐらいなものだった。正直私も吉田光太さんに会うまで、協会を知らなかった。連盟と最高位戦のプロはモンドなどでは見ていたが、協会のプロはほとんど出ていなかったからだ。

吉田光太プロがいなかったら協会に入ることは無かった。感謝している。協会も仲林と言うスターを手に入れ、さぞかし喜んでいたことだろう。冗談だ。そんな光太さんはいつの間にか最高位戦に移籍してしまった。

仲林はプロ試験を受けに行く。協会の試験は筆記、面接、実技の3種目だった。筆記の試験はほとんど勉強していなかったが、麻雀問題の点数はほぼ満点だった。しかしながら一般教養は全くできなかった。今年のダービー馬を書けみたいな問題があったと思うが、競馬を全くやったことがなかった仲林はわからなかった。まるで一般的な教養ではない。

次は面接だ。正直、お店で一緒に働いている従業員が面接官をしていたので人間性はわかっている。ここも問題なくクリアした。

最後に実技だ。協会の実技は実力よりも麻雀プロの所作を勉強してきているかを見るテストである。鳴いて、形を確定させてから切るということや、リーチ棒が出るまでツモらないとか、そう言う競技規定を事前に理解して来ているかが大事なテストである。

そんな中、南1局に事件が起きる。仲林の手牌は

当然リーチだ。リーチと宣言をした瞬間、後ろの試験管が、

え!

と言う声を出した。どうした、なんか所作間違えたか。いや、合っている。橘哲也プロに言われた通り、リーチと言い、打牌をし、リーチ棒を置いたぞ。パーフェクトだ。すっと手牌に目を落とすと異様な状況に気づく。

 

 

めちゃくちゃいい一向聴だ。パーフェクトだ。どんな一向聴の手牌が欲しいですかランキングがあったとすれば10位には入るだろう。正確には

 

 

こうなっていた。

そう、仲林だとずっと思い込んでいた牌がだったのだ。

まずい、流石にノーテンリーチは印象が悪いだろう。悪いどころの騒ぎではない。落ちる、そう思った。結果流局し、仲林はチョンボを取られてしまった。一応その半荘がトップだったことは救いだったが、そんなことは関係ない。仲林、かましてやったのだ。

テストが終わり、橘プロに電話する。流石に落ちたよねと聞くが、

「答えられない」

そう言われてしまった。それはそうだ。試験の結果を話すわけにはいかないだろう。仲林は落ち込み、帰路についた。

1週間後、テストの結果が届いた。合格だった。多分不合格になってたら麻雀プロは諦めていただろうから、また違った人生を送っていたかもしれない。本当に麻雀プロになれて良かったと思う。しかも、この時期になれたのは非常にタイミングが良かった。当時は人数も今ほど多くなく、C3リーグから参戦出来たのだ。今ではEリーグまであり、正直今からやり直せと言われたら絶対やり直さないだろう。大変だもん。

次の出勤で光太さんに合格したことを伝えた。

「プロになる事がゴールではない。雀王になる事がゴールだ、お前は俺を超えられるか?」

そう光太さんは聞いてきた。めちゃくちゃかっこいいセリフだが、当時光太さんはB1リーグだった。このセリフは雀王が言うセリフだろう。あたかも協会の頂点にいる男が投げかけてきた質問のようだが、あくまでもB1リーガーだ。深く考えず、超えてみせますと答えた。

そして、その日も光太さんとの麻雀が始まった。仲林が先制をする事が多い日だった。とあるオーラス、仲林は光太さんと14000点離れたトップ目だった。光太さんは現状ラス目、マンガンをツモると2着、ハネマンをツモるとトップという点棒状況だ。

そんな中、光太さんがオープンリーチをした。この「まーくん」という雀荘ではオープンリーチを採用している。待ちだけを晒してリーチをし、二翻役になる。

待ちはだった。光太さんのツモ番になる。昔の光太さんはまるで龍を右手に宿したかのようにウニョウニョツモる。本当にウニョウニョだ。そんな光太さんの右手がいつも以上にウニョウニョして牌を叩きつけた。稲妻と共に叩きつけたラッシャから煙が上がり、視界を覆う。これはやられた。しかし、煙で前が見えなかった。時間が経ち、煙の中から姿を現したのはだった。

オープンリーチ、一発、ツモ、赤はすでに確定している。光太さんの手牌を開くとメンタンピンの手だった。これだけでもう捲られている。裏ドラを開くと、そこにはがいた。光太さんの手にはが二枚いたのだ。倍満だ。流石光太さんだ、ツモの輝きが光っている。ちなみに光太さんは白鳥に会うといつも

「やぁ、翔くん。ツモの輝き磨いてるかい?」

と質問をする。白鳥は目を輝かせて、

「はい!磨いてます!」

と答えているらしい。恐ろしい会話だと思わないか?

煙が完全に消えた時、仲林は異変に気付いた。何かがおかしい。手牌にもう一度目を落とした。

一番裏ドラが乗ってはいけないところが乗ってしまっている。おいおい、そこ乗っちゃったらみんなの視線そこに行っちゃうよね、バレちゃうよねってところが裏ドラになってしまっている。

吉田の漢のノーテンリーチだ。

固まる光太さんに仲林は一言、声をかけた。

 

「今聴牌しましたね」

 

光太さんは無言でマンガンを支払い牌を落とした。

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