「第4回 鳳凰杯」レポート
~44店舗が覇を競う日本最大級のサンマ大会決勝、優勝は大阪・枚方「くまさん」~
去る6月28日火曜日、日本最大規模のサンマ(三人打ち麻雀)の大会「第4回 鳳凰杯」の決勝戦が行われ、大阪・枚方の「麻雀倶楽部 くまさん」が見事初参戦で初優勝を果たした。
日本最大級のサンマ大会、今回の決勝進出はいずれも大阪のサンマ専門店
鳳凰杯は、全自動麻雀卓「センチュリー」を製造・販売する麻雀卓メーカー・株式会社鳳凰が主催で、関西を中心とする事業者(麻雀荘)参加型の大会。第2回より三人打ちの大会としてリニューアル、第4回となる今回は過去最多の44店舗が参加して、約2か月間にわたって熱戦が繰り広げられた。
三人打ち麻雀の大会としては、規模の大きさも事業者参加型であることも、そして全対局がインターネット生配信されることも極めて珍しく、関西の「サンマ文化」を広く発信するイベントとして注目を集めている。三人打ち麻雀は大物手が出やすい上に「鳳凰杯」・は全て通しドラというルールで、かなり派手な打撃戦になるだけでなく、上級者同士ではそれでも守備力の高さから意外なほど放銃率は低く、ネット配信のコンテンツとしてのエンターテインメント性の高さも評判。運営を担当している「雀サクッ」では「ニコ生」「AbemaTV FRESH!」の同時生放送と「Youtube」でのアーカイブUPを行っており、実況に日本プロ麻雀連盟の赤木由実プロ、解説に元近鉄バファローズの加藤哲郎氏・最高位戦日本プロ麻雀協会所属の津田岳宏弁護士・麻雀解説の第一人者である梶本琢程氏・ネット麻雀「天鳳」の初代天鳳位ASAPINらを迎える豪華な布陣で配信、今大会の生配信の視聴数合計・前大会のアーカイブの視聴数合計は、共に10万の大台を記録している。
今回決勝に進出したのは大阪・千日前「ど素人 麻雀くらぶ アットホーム」、大阪・住之江「Two-in」、大阪・枚方の「麻雀倶楽部 くまさん」。
「アットホーム」は準決勝の最終局オーラスで、役満・四暗刻を成就させて100ポイント以上の絶望的な大差を逆転しての決勝卓到達。対して「Two-in」は1回戦こそ僅か4ポイント差と辛勝だったが、準決勝で前回優勝の「まかお 日本橋店」にも快勝するなど比較的危なげない勝ち上がり。そして「くまさん」は1回戦プラス264ポイント・2回戦プラス302ポイントという、圧倒的な爆発力を見せての進出。試合運びは三者三様だったが、いずれも大阪府内のサンマ専門雀荘で、本場の専門店の強さを見せ付ける組み合わせとなった。
ダブロンアガリと、ダブロン回避が分けた明暗
決勝戦で最初の勝負の分岐点は、接戦で迎えた第1戦南1局(ドラ9p)。「くまさん」の
の先制三面張リーチを「Two-in」が
の同テン三面張で追っ掛け、これに当たり牌を6枚掴んで回していた「アットホーム」が
から切りの追っ掛けリーチでダブロンに放銃。「アットホーム」としては淡泊に打っていれば1軒に飛び込むだけで済んでいたところ、粘って聴牌打牌まで引っ張ったがためにダブロンになるという不運な巡り合わせ。いわゆる”流れ”的には劣勢を印象付ける局となったが、その”流れ”そのままに、南2局親で先制聴牌を組むも倍ヅモを被って箱割れ終了となってしまった。
続いて三者の手牌がぶつかったのは、第2回戦東2局(ドラ)。
「アットホーム」が
の嵌張で先制リーチ、これに「くまさん」が
ポンで追い付き、更に「Two-in」が
の高め倍満の三面張で追っ掛けリーチ。
ここで「くまさん」はを掴み、を打っての聴牌維持ならばダブロンという窮地だったがトイツ落としで凌いで、次順を重ねて聴牌復帰。更に次順ツモで打で
ポン
として、直後の「アットホーム」のを打ち取るという離れ業(ワザ)を演じて見せた。
1回戦で勝負に行ってダブロンを放銃した「アットホーム」、2回戦でダブロンになるところを粘って回した結果アガリをもぎ取った「くまさん」。
決して麻雀の技術・巧拙だけでなく、勝負の機微・押し引きのアヤがもたらした”明暗”だったが、この結果がその後の展開を象徴するであろうことは想像に難くなかった。
逃げる技術と戦略、追い掛ける意志と根性
実際、第2戦終了時でトップに立った「くまさん」と2番手「Two-in」との77ポイント差がその後縮まることはなく、むしろ差を拡げていく展開に。
第3戦「アットホーム」が倍満ツモでトップ目に立つも、東2局「くまさん」が
リーチツモでリーチツモメンホンドラ(5は通しドラ)花花裏裏裏()の三倍満で一発逆転。
第4戦も東2局「くまさん」が
でトイトイ三暗刻西ドラ6花の三倍満で大量リード、そのまま9万点オーバーの押し切り。決勝6戦のうち4戦を終了した時点で、「くまさん」はプラス254ポイントでぶっちぎり、「アットホーム」マイナス83ポイント・「Two-in」マイナス171ポイントと大きく引き離すワンサイドゲームとなった。
それでも第5戦東1局、起家の「Two-in」が9巡目に中待ちの国士無双を黙聴する意地を見せるが、ここで「アットホーム」のリーチに危険牌を押す「Two-in」を見て、「くまさん」が半ば差し込み気味にリーチに振り込むという老獪さで事なきを得る。まさに「役満さえ打たなければほぼ大丈夫」な場面で、役満を避けるために最善手を打つという技術を見せ付けた。
最終第6戦開始時点、「くまさん」は210ポイントで、2番手の「アットホーム」に212ポイント差。
ここで東1局(ドラ)「くまさん」の
という先制リーチを、起家の「アットホーム」が
で追っ掛けリーチ、一発でを打ち取ってリーチ一発中ドラ6花の24,000直撃。これで一気に可能性は膨らんだが、このまま「くまさん」が飛んで終了だとまだ足りない(仮にこの後18,000の1本場直撃で点差が8万8千点だと88ポイント、オカ25ポイント・沈みウマ上下20ポイント・飛ばし料上下20ポイント・チップ1枚上下10ポイントなので、40ポイントほど足りない、試合後のインタビューでは「24,000でなく36,000ならば自分が飛んで優勝なので、裏乗れ!と祈っていた」と冷静に語った)。
「アットホーム」としては、ここから更に「くまさん」から役満直撃、或いはむしろ「くまさん」の点棒を守りつつ「Two-in」の点棒を削って、最終的に大物手をツモって2人を同時に飛ばすという奇跡のようなミッションが課される…という状況で、東3局(ドラ發)実際10巡目に国士無双・待ちの聴牌が入るという劇的な展開。しかしこれも「くまさん」が
の七対聴牌を入れ、「アットホーム」から出アガリという無情な結果となった。
さらに南1局(ドラ)、「アットホーム」がピンズをと序盤からバラ切りして
の親マンを黙聴、これに対して「Two-in」が
からツモで、高目で大車輪(メンチン七対子=役満扱い)・安目でもチンイツピンフイーペーコウドラ4で三倍満という手替わりの打が捕まる。この時点で「アットホーム」は役満ツモか倍ヅモの2枚オール以上という条件ができたが、次局7巡目に「くまさん」が
の渾身の黙聴(完先だが、が常に役牌で大手飛車の形なので黙聴出アガリ可能ルール)を入れ、これをアガって優勝へのカウントダウンはまさに大詰めに。
それでも南2局に一発跳満ツモでチップも上乗せした「アットホーム」は役満条件が残って粘るが、オーラス1本場「くまさん」が
の黙聴を4巡目という高速で入れて、すぐさま出アガリ終了。盤石の押し切りを見せた。
しのぎを削る激しい戦いの結果、優勝は「くまさん」
序盤の粘りを幸運に変え、中盤にはあらゆる技を駆使して、終盤まで油断なく捌いた「くまさん」が、心技体揃った素晴らしい圧勝。中盤以降は消化試合になるかと思われた対局だが、それでも最後までできることをやり切って戦った「アットホーム」「Two-in」の両店もその技術と根性を見せ、最終局まで逆転の可能性を残して、記憶に残る対局を作り上げた。
優勝した「くまさん」のみならず、準優勝「アットホーム」・第3位「Two-in」にも、惜しみない万雷の拍手を送りたい。
▲解説・加藤哲郎氏と優勝「くまさん」
▲加藤哲郎氏・梶本琢程氏・優勝「くまさん」・株式会社鳳凰水野修社長・赤木由実プロ
▲梶本琢程氏・加藤哲郎氏・株式会社鳳凰水野修社長・赤木由実プロ、準優勝「アットホーム」・優勝「くまさん」・第3位「Two-in」
▲準優勝「アットホーム」・優勝「くまさん」・第3位「Two-in」・株式会社鳳凰水野修社長
大会概要
【名称】第4回 鳳凰杯
【参加店舗】44店舗
【開催期間】2016年4月26日(1回戦開始)~6月28日(決勝戦)
【主催】株式会社鳳凰
【運営】「雀サクッ」事務局
【番組公式HP】http://jan39.com/phoenixcup/
ルール・レギュレーションなど、詳しくは公式HPをご参照ください
※ 参加店舗一覧
蕨・麻雀 グリーン、垂水・楽雀、松山・麻雀クラブ 遊、
難波/梅田・e’sグループ、難波/梅田・マーチャオ、難波・麻雀パンダ、
尼崎・麻雀物語、天満橋・しろーと麻雀 わんちゃんす、枚方・麻雀処 癒庵、
東大阪・まあじゃんプシケ、久留米・まーじゃん チャン太、三国・いただきセブン、
京都・Potti(ポッチ)、京橋・まーじゃん リズム、難波・麻雀ハウス ポン太、
京都・麻雀 CHANCE、住之江・麻雀ぼくがんばる、
茨木・麻雀×BAR TEPPEN、尼崎・mahjongA(マージャンエース)、
天満・まぁじゃんくらぶ8(エイト)天王寺・ふりー麻雀 BIG WAVE(ビッグウェーブ)、
梅田・フリー麻雀 まかお、日本橋・フリー麻雀 まかお、姫路・フリーマージャン ふぁうすと、
西大橋・プラチナ11(イレブン)、和泉・麻雀タッチ、池田・麻雀 ミラージュ、
東大阪・まあじゃんや タオ牌牌(タオパイパイ)、草津・フリー麻雀 フェニックス、
東大阪・俺の雀荘、葛城・フリー麻雀 雀九(ジャンク)スポーツ、吹田・Jan-Soul、
高槻・フリー麻雀Rookie、十三・麻雀クラブ W、西長堀・麻雀 プチドラゴン、
塚本・麻雀ピース、長堀橋・マージャントントンブー、谷町四丁目・麻雀 ポテト2、
香芝・まぁじゃん屋、住之江・Two-in、千日前・ど素人 麻雀くらぶ アットホーム、
茨木・ダブルフェイス、枚方・麻雀倶楽部くまさん、堺・麻雀部屋 どすこい
【アーカイブ視聴】
Youtube「雀サクッ」チャンネル( https://www.youtube.com/channel/UCzJ0nyiYu_qrhbet2TnnZxw )に今後順次UP、上記公式HP内「リプレイ動画」フレーム内にて再生リスト視聴可能
AbemaTVFRESH!「雀サクッTV」( https://abemafresh.tv/jan39tv )にて全編視聴可能
【本レポートのお問い合わせ先】
有限会社気楽亭/「雀サクッ」事務局(大阪市浪速区元町1-5-7ナンバプラザビル705/06-7656-0420)
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