熱論!Mリーグ【Thu】
「防御なんか気にせず
攻撃に全部振っていけ!」
サクラ花咲く春、
岡田紗佳が魅せた激闘
文・東川亮【木曜担当ライター】2020年3月26日
筆者の自宅のほど近くに、ちょっとした桜並木の遊歩道がある。
これは今朝方撮影した写真。
満開というにはまだまだだが、もうしばらくすれば、桜が最も美しく咲き誇る時期がやってくる。
すでに、天気がいい日には散歩をしながら桜を楽しむ親子連れの姿などを見る。
自粛だなんだと暗いニュースばかりが世間を騒がせているが、せめてこの時期の桜くらいは、ゆっくりと愛でさせてほしいと強く思う。
もちろん、世情についても十分理解はしているのだが。
さて、「Mリーグ2019 朝日新聞セミファイナルシリーズ」も、後半戦へと差し掛かってきた。
残り数戦、3月の終わりには、セミファイナルで散ってしまう2チームが決まる。
3/26の試合前の順位はこちら。
順位を上げたいKONAMI麻雀格闘倶楽部、TEAM雷電はエースを投入、セガサミーフェニックスも大黒柱を出場させてくる中、KADOKAWAサクラナイツの先発を務めたのはプロ歴わずか3年の岡田紗佳だった。
キャリアでは圧倒的に劣る彼女が、ここでどんな戦いを見せるのか。
第1回戦
西家:近藤誠一(セガサミーフェニックス)
岡田は東1局に先制リーチを打ち、
2600オールをツモアガリ。
まずは幸先の良いスタートを切る。
次局もなかなかの配牌を手にしたが、この局で先制をとったのは寿人。
カン待ちテンパイで真っすぐリーチだ。
レギュラーシーズンを見てきた筆者の印象として、岡田は他家に先手を取られて攻撃を受けた際、押し返しよりも守備を重視することが多いと感じていた。
この場面はそこそこのリードを手にしており、チームも上位。
ここはある程度守備的な選択をするかと思っていたが・・・
岡田は無スジの、
をプッシュしてテンパイ。
その後、瀬戸熊から待ちのリーチが入ったタイミングで、岡田もリーチを被せた。
待ちのは瀬戸熊には無スジで、唯一リーチをしていない近藤からはまず出ないだろう。
そしてはドラで、アガれたときのリターンが大きいことから、思い切ってめくり合いを挑んだ形だ。
結果は寿人から瀬戸熊への放銃となったが、岡田が印象的な選択を見せた一局だった。
ただ、その後はなかなか手が入らず、他家がアガる展開が続く。
岡田に次なるテンパイが入ったのは、試合が進んだ南2局、12巡目だった。
とは言えこの時点で役なしドラなし赤もなし、
待ちはとのシャンポンと、決していいとは言えない。
しかも副露の少ない瀬戸熊がをポンしており、近藤はピンズを1枚も切っていないという状況、
さらにがほとんど見えているにも関わらずドラが全く見えていないことから、どこかにドラが固まっている可能性は高い。
非常にリスクのある状況だが、それでも岡田は意を決してリーチを宣言した。
3者が僅差という状況、そして競っている瀬戸熊、近藤が勝負手模様で、ここではアガること自体の価値がとても大きい。
また、が4枚見えにもかかわらずが自分から3枚しか見えていないことから、勝負手の2人が前に出てきたときに残る1枚のが討ち取れる可能性も考えたかもしれない。
いずれにせよ、これまでの岡田にはあまり見られなかった、思い切った選択だったように思う。