前原からを討ち取って12000点のアガリ。
東4局1本場も、
をの形で両面チー。
またしてもを狙い、12000に仕上げようという算段だ。
しかしここは、ホンイツに向かっていた魚谷がしっかりをキープ。
フェニックスは現状トータル2位。無理をしてリスクを取る必要はまだ無い。
内川の罠は不発に終わり、暗槓を入れた瀬戸熊・前原の2人テンパイで流局。
そして瀬戸熊の親番。
この半荘が終われば、セミファイナルは残り4戦。
その中で親番は残り8回しかない。
打点力が持ち味の雷電にとっては、絶対に手放せない親番だ。
配牌は良いとは言えない。
はあるが、鳴いてアガるのでは面白くないだろう。
メンホンを視野に入れつつから打ち出す。
順調に手は進み、8巡目でイーシャンテンに。
ここでかのどちらかを対子落としするのがセオリーだ。
の対子落としだと、リーチするまでの間にが1枚浮いて、不安定な形になってしまう。
どちらにせよ鳴かないは不要。
より安全なを落としていった。
そして13巡目、ドラを引き入れて待望のリーチ!!
卓上を見つめる鋭い眼光。
この局でアガリを決めて、なんとしても内川との点差を詰めたい。
人差し指を伸ばした、勢いのある内切り。
気合いが入っている時の瀬戸熊のモーションだ。
しかし他家も怖がってばかりはいられない。
魚谷がドラ暗刻の待ちで追っかけリーチ。
ここは2人テンパイで流局。供託が貯まっていく。
そして南1局1本場。ついに瀬戸熊が配牌を「入れた」。
2巡目で両面両面のイーシャンテン、しかもドラが対子。
3巡目にすぐにリーチ!待ちは。
すぐにでもツモれそうな待ちだ。
しかしこの待ち、実はが既に無かった。
その間に内川が危険を察知し、とのシャンポンで大物手を潰しにかかる。
モーションには気合いがみなぎっている。しかし結果が付いてこない。
このまま内川に完封されて終わってしまうのか?
雷電の麻雀は、サクラの季節に、儚く散ってしまうのか…?
雷電のファンが不安に苛まれる中、瀬戸熊のモーションが突然変わった。
こ、これは…!
「バシィィィン!」
という、皆が待っていた音が鳴り響く。
ツモったああああ!!
しかも裏が乗って6000オール。供託も回収し、一気に内川を逆転。
通称「トルネードツモ」。日本中のファンが、これを待っていたのだ。