麻雀の強さはコミュニティに
依存することが多い
私の経営するフリー雀荘には、本走専門スタッフ、いわゆる打ち子がいます。
打ち子が勤務する時間帯は、朝の開店から夕方までの、ヒマな時間帯が中心です。
夜や週末などの忙しい時間帯には、打ち子を入れずに、一般のクルーを増やして仕事をこなすようにしています。
3つの店のうち、ある店舗で好成績を挙げていた打ち子が、別の店に移動しました。
ところが、しばらくして
「軍資金が続かないので辞めます」
と言ってきました。
実はよくあるパターンです。
「前の店の好成績はツイてただけ」
というのは、長期間打っていたので無さそうです。
でも、その店のクルーやお客さんとの相性の良さはあったと思います。
私が見たところ、先の店の早番は新人の女子クルーがいたり、常連の年配のお客さんも、ゆったりと大らかな麻雀です。
たとえば、バックで仕掛けることはめったに無いし、着順の変わらないアガリもしないとか。
そういうコミュニティに、鳴きが多めの麻雀が合っていたのかもしれません。
ところが店を移ったら、新人女子クルーの代わりに、ベテランの男子クルーばかりで、さらに自分より仕掛けが多い常連がいたりで
、実力が発揮できなかったようです。
新しいコミュニティに対応できる実力はあったと思うんですが、それまで楽に勝てていたので、貯金はあまりしてなかったみたいです。
ギャンブルは、腕か金が無いと続かないんです。
今から20年以上前のことですが、東京で2の2-6、チップ千円の東風戦が流行ったことがあります。
もちろん今は全面禁止です。
当時の打ち子は、裏メンと呼ばれており、お客さんのフリをして、卓入りしてました。
私はかつて近代麻雀で「麻雀で食え!」という戦術を連載していたんですが、タイトルどおり、当時はそのレートで食えたんです。
「お前もうちょっと客を大事にしろよ」
店長が打ち子に文句を言います。
「だって、生活がかかってるからなあ」
「分かった」
店長はその打ち子をクビにはしませんでしたが、もう一人打ち子を入れて同卓を多くしました。
そういう店は、店長自体が大ベテランなので、店長まで同卓すると、元の打ち子の稼ぎは激減して、パンクしてしまいました。
2の2-6は、腕さえ良ければ打ち子をしなくても勝てるなので、その打ち子は、少し考えが甘かったのかもしれません。
食えると言っても、ほんの数%の限られた人だけ。
しかも、それを何年も続けるのは至難です。
今の主流の点5やピンの東南戦だと、
「腕が良ければタダで遊べる」
「さらに強ければ、お小遣いになる」
くらいが限界です。
稼ぐことよりも、楽しく打つことをメインにしたほうが良さそうです。
ブラフを多用しては
ブラフにならない
2の2-6の東風戦時代の雀ゴロにブラフの多い打ち手がいました。
当時の雀ゴロの勝ちパターンは、
●半チャン1回で、1000円勝って、500円をゲーム代に払って、残り500円。
●月400回打って、浮き200000円。他に雀荘の月間レースの賞金も大事。1時間に3回打って、時給1500円。
くらいでした。
打ち子のように店からは給料を貰いませんが、賞金がその代わりになっている感じです。
雀ゴロとは言うものの、やっていることはけっこう地味で、「1ツモ10円の内職」といった感じです。
そう思うと、チップ1枚の価値はとても大きいので、それを稼ぐのは大事です。
リーチなど、相手のチップのチャンスは一発消しでをツブしながら、自分はブラフを多用しながら、チップを稼ぐんです。
打牌強打で堂々とリーチのように見せかけて、実は愚形かつ安いとか。
最初のうちはブラフも通じるんですが、やがて手の内がバレて、逆に攻め込まれていました。
リーチにポンポンで攻め返されたり、安全牌の字牌を暗槓されて、追いかけられたりとか。
ブラフよりも、多少遅くなっても本手で勝負したほうが、長期的には勝率が上がるのではないでしょうか。
特にセットや常連の多いフリー打ちでは愚形の安手は、アガっても流れても、自分に不利な情報を与えます。
「ツモってハネマン、振ったらマンガン」
のリーチを目指しましょう。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2014年12月1日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/
さいばら&山崎の でかぴん麻雀入門は毎週水曜更新!!(次回は7月29日更新予定)
コメントを残す