岡田紗佳、
麻雀に翻弄された試練の一戦
文・東川亮【木曜代打ライター】2024年12月5日
大和証券Mリーグ2024-25レギュラーシーズン。
12月5日の第1試合は、赤坂ドリブンズの浅見真紀が勝利した。
3度のアガリはいずれも親番での満貫。
南3局ではポンからドラを暗刻にしての満貫をオーラスで親番を迎える松ヶ瀬から直撃し、しっかりとリードを築いて逃げ切った。
これで初の自身3連勝、チームの越山監督とはこの試合に勝てばお子さんが欲しがっている地球儀を買ってもらう約束をしていたそうで、喜びもひとしおだろう。
対照的だったのが岡田紗佳。
この日の4着で、Mリーグタイ記録となる5連続ラスを喫した。
昨シーズンに大躍進を遂げた岡田だったが、今シーズンは一転して開幕からトップなし、個人成績はマイナス300を越える大苦戦を強いられている。
この日の試合はまさに、そんな岡田の現状を象徴するような試合となった。
第1試合
東家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
岡田の出だしは、決して悪くはなかった。
東1局のチャンス手こそ実らずも、東2局にはドラ3枚使いの3メンチャンを高目でツモって3000-6000。気持ちの良いアガリでまずはトップ目に立つ。
続く東3局もある程度形がまとまった形だが、自身が切ったを親の浅見にポンされてしまう。浅見ダブがトイツで、満貫がくっきりと見える牌姿。
浅見の河はピンズやマンズを切った後にポン出し。
普通に考えれば一色手が濃厚で、そこに引かされた生牌のダブはあまりに切りにくい牌だ。
現状はトップ目、自分の手がたいしたことがなければアガリを見切ってを抱え込んでしまう手もあった。だが、岡田の手は満貫の見える1シャンテン。切るなら今、切らないならテンパイまで抱え込むかの2択で、岡田は攻撃的な切りを選択した。
浅見はもちろんポン。そして、前巡にが重なって、雀頭に困らない形になっていた。岡田目線なら間が悪く、浅見目線ならベストタイミング。
直後、岡田はドラのを引かされる。ソーズホンイツの浅見にはまず打てない牌、ピンズを払いつつ、ソーズメンツでの復活を目指すが・・・。
浅見が最後のをツモって4000オール。あっさりと岡田を逆転した。
岡田の切りが1巡前だったらもう少しもつれたかもしれないが、さすがにそれは難しい注文。冷静に状況を見て選択をしているようにも見えたが、それが悪い方向にかみ合ってしまうのがもどかしい。
続く東3局1本場。
浅見がドラのを重ねた直後、醍醐からポンして満貫確定。醍醐は1巡早くを切るタイミングがあったが、この辺りは相手の手が完全に見えない分、難しいところ。
そこに対し、岡田がを切り飛ばして前に出る。浅見はをポンしてのトイツ落としを見せており、明らかに手が進んでいるが、まだテンパイとは断定できない。さらに手出しが入ればはますます切りにくくなるので、その前に処理してアガリを取ろうという積極策だ。
次巡、岡田がテンパイ。待ちはのシャンポン待ちかペン待ちを選べるところで、岡田はペン待ちでのリーチを即決した。直前にが立て続けに切られ、も1枚切れで、シャンポン待ちは目に見えて残り1枚。最後の1枚が山にいそうとはいえ、明らかにペン待ちのほうが優位だ。
枚数は確かに、ペンのほうが多く残っていた。しかし、リーチの一発目で岡田が引いたのは、まさかの裏目である。
そこに、浅見が満貫テンパイで追いついた。こうなれば、「特攻シンデレラ」はどこまでも攻める。
理屈の上では、確かに岡田の選択は正しかった。勝つ可能性も十分にあった。しかし結果は満貫ツモではなく満貫放銃。それが目に見えているだけに、岡田は苦しい。そういうこともあるのが麻雀だと分かっていても、さすがに厳しい。
岡田の受難は続く。
南1局1本場、岡田は第1打から長考に入った。トイツ手や一色手などいろいろな可能性が見える手だが、道筋はさまざまで、全ては追えない形になっている。
岡田はのトイツ落としでホンイツを意識した進行。