四暗刻は、2シャンテンから1シャンテンになったときに空気が一変する。
とっさに実況の松嶋がカウントし、言った。
松嶋「この四暗刻、5枚山にあります!」
ドキドキする視聴者。
そして
とうとうをツモってきて、ボルテージは最高潮。
その気持を抑えるかのように、瑞原はを静かに置いた。
瑞原はこのときのことをこう語っている。
ツモリ四暗刻なぜダマ?のお声をいただいたのでお答えすると、
リーチ棒をだすと内川さんの条件が満貫ツモOKになる、
どんなアガり方をしてもダマ/リーチで着順が変わらない(裏3は除く)、
リーチによる効果が少ない(トップ争い熾烈)等々、
稀に見るダマ有利の状況でした。
自分の細さが憎いーっ💩— 瑞原 明奈 (@akn19mj) June 16, 2020
なるほど。
リーチ棒を出すことによる、ラス率向上、アガリ率あまり変わらないと見てのダマだった。
とはいえ、リーチにもそれなりの効果がある場面なので難しい判断だとは思う。
さらにこのときのことを、仕掛を入れていた日向はこう語っている。
「瑞原さん、河は変則なのに、前にきている。国士?がなくなった。じゃあ四暗刻?ツモだけはヤメてください!」
そしてこのダマがさらに波紋をふくらませる。
瑞原のテンパイ直後に、近藤がを掴んだのだ。
近藤は2巡目にを切っている。
瑞原も2着になるので、よもや見逃すまい、これで決着か。
誰もがそう思ったはずだ。
止まった。
え?
たしかには日向にポンされてしまった。
たしかには2枚切れで、は1枚切れだ。
たしかに日向が言っていたように、瑞原は四暗刻くさい。
それにしても、アガリトップの状況で、このを切らないことが、選択肢にすら上がるだろうか?
こうして
瑞原の渾身の手は空振り、日向のアガリとなった。
ダマにしたのに止められるんだから、もうこれは相手を褒めるしか無い。
それにしても、この半荘の勝者の日向はがむしゃらだった。
特に目を引いたのは東4局だ。
親番の日向はこの手牌でをスルーした。
このをでチーすれば、三色待ちのテンパイ。
はかなり狙い目だし、赤赤だから5800の収入とまずまず。
2度受けがあって苦しいし、理で考えるとチーだ。
多くの打ち手が鳴くのではないだろうか?
しかし日向はこれをスルーしてリーチまでこぎ着け、そして4000オールに仕上げた。
正しいのかどうかはわからない。
たしかに全体的に手牌に恵まれている印象はあったが、このひたむきに前に出る姿勢が、運命を捻じ曲げたのかもしれない。
短期決戦では理を超えた無理がこのように功を奏するケースが多い。
瑞原の運命は、