【弁護士でプロ雀士が教える】賭け麻雀はいくらからダメなのか

ただ、その態様によっては処罰に値する違法性がない場合も多い、ということなのです。ここを勘違いしてはいけません。

賭けたこととは別の責任がある

なお、黒川氏の賭け麻雀における法律的な責任と社会的・道義的な責任はまた別です。

黒川氏の検察官としてのキャリアをひもとくと、2009年に安倍総理の政敵だった小沢一郎氏が政治資金規正法違反に問われた事件で暗躍し、小沢の失脚にひと役買っています。

その後は安倍政権と近しい位置にある政治家の小渕優子氏が公職選挙法違反に問われた事件、甘利明氏があっせん利得処罰法に問われた事件で不起訴の判断を下しています。

このようなキャリアから、黒川氏は安倍政権と深いつながりがあるのではとささやかれていました。

検察庁法の改正案は黒川氏を検事総長にするための改正であると強烈な批判を浴び、成立に至りませんでした。

そのような経緯のある黒川氏が、大手新聞社の記者と緊密な交流をしていたというのが、本件の一番の問題点です。

政権も検察も、強大な国家権力です。

そういう国家権力を監視して批判する立場にある新聞社の記者と、権力の代表者である大物検察官が交流しており、しかもそこで法律で禁止されている賭け麻雀がなされていたというのであれば、強い社会的・道義的な責任が生じるのは当然であり、その責任を取って黒川氏は辞職をしたのです。

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文・津田岳宏

昭和54年生。京都大学経済学部卒。弁護士法人コールグリーン法律事務所代表弁護士。交通事故被害者側請求と賭博罪を専門とする。最高位戦日本プロ麻雀協会に所属(40期)する麻雀プロでもある。

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