得意なのは派手なアガリだけじゃない! 均衡した好ゲームを作り上げたチーム雷電・黒沢咲のセレブディフェンス【Mリーグ2020観戦記11/5】担当記者:ゆうせー

イーシャンテンだった。

黒沢は現在2着目。まだ親番があり、トップ目魚谷への挑戦権が残っている。

険しい視線を河に投げて、黒沢は考え、

なんとを切った!

アガリは厳しいこの手。ならば、考えるべきは二つ。

一つは、下家にいる瑞原にテンパイを入れさせないことだ。オーラスに向けて点差を詰められるのは避けたい。

イーシャンテンをキープするためのあたりは瑞原に鳴かれてしまう可能性がある。

もう一つは、親番の魚谷に放銃しないということだ。上家魚谷の河は濃厚というほかない。

いったん現物のを切ってもを勝負しないとテンパイ出来ず、またで赤固定してもこちらはを打たなくてはいけない。

のちに危険が待っている、かりそめのイーシャンテンにとるくらいならば、いっそ未練を残さず手じまいして瑞原に対応する。そんなきっぱりとした打だった。

繰り返すが、中途半端な手で黒沢は甘えない。

このとき瑞原の手は、

この形だった。はチーしてテンパイを取るだろう。

そして魚谷は、

大物手のヤミテン!(空切り) ルートには大きな落とし穴が待っていた。

この局は、

黒沢のガードが実を結び、流局。白鳥と瑞原にもテンパイは入らず、魚谷の一人テンパイとなった。

この後、白鳥のアガリで黒沢は3着に。南4局の親番で黒沢は、

得意の高打点リーチを放つ。

「ポン」

しかし、このリーチ宣言牌を白鳥がポン。チンイツのテンパイを入れる。

これぞオーラスというめくりあい。制してアガったのは、

白鳥だ!チンイツ、2000-4000のツモアガリ。

黒沢は3着で、この試合を終えた。

トップを獲得した魚谷。

「内容的には反省点の残る対局だった」と語った。

たしかに本人のインタビューにもあった、

南3局1本場のこのシーン。

私は、「をアタマで使った手や鳴いた手は安い。魚谷なら、さらに大きな加点をねらったタンピンコースで落としかな」と見ながらに想像していたが、

魚谷は。まだ魚谷のなかで、少しピントがあっていない部分があるのかもしれない。

だが、本人はすぐに反省点や修正点をあげている。本調子を取り戻すのもあっという間だろう。

そして、このゲームを締まったものにした黒沢。

この日、実況が黒沢を表すなかに「大黒柱」というフレーズがあった。

言葉通り、TEAM雷電のなかで黒沢の存在感は年々、そして、日に日に増してきているに違いない。

現在7位と、苦しいポジションにいるチーム雷電。

だが、まだまだシーズンは始まったばかりだ。

頼れる大黒柱の黒沢が、きらびやかなアガリと堅固なディフェンスでチームをひっぱりあげてくれる未来を、雷電ユニバースははっきりと思い描いている。

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