繊細と豪快の狭間で…豪腕・前原雄大の復活劇!【Mリーグ2020観戦記11/27】担当記者:真中彰司

「俺のアガリ牌はどこに行ったんだ…」

この時点で園田のアガリ牌は残り2枚にまで減ってしまっていた。

明らかに押しの気配を見せている前原を見て、園田は気が気でない。

そしてとうとう、園田からがツモ切られた!

ポンだ!ということは…

ポンしたならば、当然切る牌はしかない。

ここまで来たら止まらないのが前原。も涼しい顔で押していく。

そして、園田が震える指で掴んだ牌は…山に1枚だけ残っていた

園田のアガリ牌は2枚、前原のアガリ牌は1枚。

いや、もっと言えば、園田は5枚残りの時点でリーチをかけ、前原はその時点でまだ2シャンテンだった。

理で言えば不利なはずの勝負を捻じ曲げて、突破口をこじ開ける。

これぞ前原雄大!と言えるアガリをものにした。

あまりの出来事に呆然自失の園田。

こうなった前原はもう止まらない。

南3局、配牌はそこそこだったが驚異的な引きで、たった4巡で高め三色のテンパイ。

ドラのを切るのは決まっている。問題は、ダマテンかリーチか。

萩原から高めのを直撃すればトップに浮上するが…

それは一瞬の杞憂だった。前原は己の豪腕に賭けてリーチを宣言。

引けないはずがない、とまで思っているかもしれない。

そして本当にをツモってしまうのだから、この男は恐ろしい。

リーチ・ツモ・ピンフ・三色・ドラ・裏で3000-6000。

萩原をかわしてトップ目に浮上した。

終始険しい顔の前原だったが、ここにきてようやく納得した表情。

オーラスは冷静にピンフ・ドラ1を決めて、久々のトップを獲得。

聞けばこの日は、KONAMIスタッフの誕生日だったそうだ。

前回の敗戦を糧にして、内容にこだわり、結果としてついてきた久々のトップ。

心なしか、感極まって涙声になっているような気がした。

そしてやっぱり、このガラクタポーズが見たかった。

時に繊細に、時に豪快に。地獄の門番・前原雄大、完全復活。

家族思いのゴッドファーザーに率いられ、麻雀格闘倶楽部は得意の中盤戦に突入する。

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