沢崎誠と萩原聖人、明暗分かれた不調者2人の戦い【Mリーグ2020観戦記12/7】担当記者:東川亮

萩原にとってはハッキリとしたアガリ逃しがあっただけに、悔しい一局となってしまった。

南1局、沢崎の手は2巡目にして七対子のイーシャンテン。

しかしメンツ手も見えるため、七対子で使えそうな字牌は残さず両にらみの状態をキープする。

8巡目にpastedGraphic_38.pngが暗刻になって選択、ここでついにpastedGraphic_39.pngのトイツに手をかけ、メンツ手へと切り替えた。

こうなればタンヤオで仕掛けていくこともでき、多少は動きやすい形にはなる。

ここからピンズが思いも寄らぬ伸びを見せた。

最終形は何とメンツ手とトイツ手の複合形、平和高目二盃口に。

pastedGraphic_26.pngなら高目のハネ満だが、萩原がツモ切ったpastedGraphic_27.pngを出アガリで3900。

・・・一瞬間があったのは、まさかの見逃しを考えたのだろうか・・・?

とは言え、2着目からの直撃は大きい。

これで萩原との点差は2万点以上に広がった。

萩原も南2局2本場で渾身のpastedGraphic_44.pngpastedGraphic_25.png待ちリーチ、親番で苦しいリーチを打った勝又から12000を出アガリして追いすがったものの、

南3局、萩原の親番で絶好の3メンチャンリーチをツモりあげて2000-4000。

萩原に親かぶりをさせてリードを盤石なものとし、そのままトップで逃げ切った。

およそ2ヵ月ぶりの勝利に、この笑顔。

そうだった。

打っているときは実におっかなく見えるのだが、一度卓を離れれば非常に愛嬌のある方なのだった。

一方で、萩原は厳しい3人を相手に2着を確保したものの、また勝てなかった。

萩原としては気持ちのいい、面白い雷電の麻雀を貫いて勝ちたい、という思いは少なからずあるだろう。

しかし一方で、未だ自身のトップがなく、チームポイントをマイナスとしてしまっていることへの葛藤もあるはずだ。

南3局の親番では沢崎のpastedGraphic_49.pngpastedGraphic_26.pngpastedGraphic_27.png待ちリーチに対し、一発でpastedGraphic_49.pngを掴んだ。

見ての通りマンズの一色手模様、一度は止めるもpastedGraphic_38.pngpastedGraphic_49.pngのターツからpastedGraphic_38.pngを外し、pastedGraphic_49.pngが打たれるのは時間の問題のように見えた。

しかし萩原は、このpastedGraphic_49.pngを打たなかった。

pastedGraphic_49.pngを勝負し、勝つために勇敢に戦ったと言えば聞こえはいいが、それでチームのポイントを減らしてしまえば元も子もない。

沢崎とは対象的に、萩原にはいまだ苦難の時が続いている。

しかしその中でも彼は必死で、今できる最善を尽くそうとしていたように見えた。

前もって決まっていたのか、それとも志願したのか、萩原はこの日の2戦目にも出場した。

そこでどのような戦いを見せてくれたのかは、山﨑和也さんの観戦記でチェックしてみてください。

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