「ツモ…1000/2000は1100/2100」
ずっと目標としてしていた多井の声で最強戦2020ファイナルは幕を閉じた。
残念ながら一発屋の返上をすることはできなかったが、私としては充実したファイナル二日間だったと思う。
決勝を中心に振り返るので、少しお付き合いいただければ幸いです。
と決勝戦の前に、ファイナルで同卓したアマチュア選手2名が非常に印象に残ったので触れさせていただきたい。
まずはSTAGE1で戦った安部颯斗さん。
なんと雀歴2年足らずでアマチュア最強位に輝き、ファイナルへ。
序盤は対面からも緊張が感じ取れたが、途中からは卓にのめり込み強い迫力を感じた。
対局も見返したが、本当に末恐ろしい逸材である。
そういえば私が麻雀プロになるきっかけとなったのは学生時代に出た最強戦だった。
是非また公式戦で真剣勝負をしてみたい。
近藤・安部・新井で最高位決定戦を戦えたなら…などと想像してしまった。
そして準決勝で戦った堀江貴文さん。
言わずと知れた超有名実業家。
我々からすると「全てを手に入れた男」と言いたくなる人である。
(ご本人的にはまだまだやり足りないことだらけなのだろうと思うが)
多忙な中、プロを相手に練習もされていたそうだ。
その堀江さんがたかがゲームで勝つために全力で準備し、必死に考え、本気で悔しがっている。
卓の前では例え大統領でも皆平等。
だからこそ多くの人がこの麻雀というゲームの魅力に憑りつかれるのだろう。
さて決勝戦。
並びは起家から
東1局からチャンス。
でロンする気は全くなかった。
直後親の多井からツモ切りリーチが入る。
多井の親リーチはかなりレンジが広い。
第一感は「怖くない親リーチ」。
井上、本田がを持っているならこの一巡に出る可能性が極めて高い。
一巡だけダマにした後、ツモ切りリーチを打つ。
様々な判断が冷静にできており、良い入り方ができていると感じた。
結果は
ドラ3のマンガンテンパイが入った井上からが出て8000。
小さくないリードを得た。
東2局
8巡目、チーテンとなる1枚目のカンが多井から出る。
と払ってきている多井の手牌進行が尋常でないと読めるので、速度を合わせるチーももちろんありだと思う。
しかしここは打点を見てスルー。
仕掛けを受けて12巡目、ドラを引いてテンパイが入る。
打点は十分だが待ちは不満。
ダマテンにする選択は自分の中ではなく、リーチor打の二択だった。
実戦の選択はリーチ。
しかしこれは疑問手だった。
はほぼ本田が使っていそうなうえに、
多井のホンイツは落としからもほぼ十分形。
しかもかなり脂っこいところが余っている。
今冷静に見るとやや前のめりすぎたか。
そして何よりも普段の自分なら余裕をもってを切っていそうだ。
「自分の麻雀を打ち抜く」のであれば、テンパイ外しの一手だった。
結果は多井に押し返され、8000放銃。
私の捨牌を見るとわかるのだが、
を切っていればで4000オールツモアガリの牌である。
この上下は果てしなく大きい。