麻雀最強戦ファイナル2位【新井啓文の自戦記】

 

 

東1局の収入をそのまま多井に渡す形となった。

しかしその後も手が入り続け、テンパイ料や中打点のアガリで再逆転し南入。
多井と私の親が流局で落ちた後、僅差の南3局。

多井に8000を決められてしまう。

南4局
東家 本田 13200
南家 多井 39600
西家 新井 29200
北家 井上 18000

オーラスを迎え、多井とは10400点差。
同点は上家勝ちで多井の優勝なので、5200直は不可。
基本ハネマン、リーチ棒が出てのマンガンツモという優勝条件となった。

3巡目

既に親が仕掛けており、リーチ棒は期待できない。
マンズの方がドラ色で、仕掛けてのハネマンの可能性や多井への牽制力も高いと思いを切った。その後、チャンタに狙いを絞って8巡目逆転のイーシャンテンに。
と引けば優勝だ。
はともかく、は山にごっそり残っていそう。

引け!」
無駄に願い、無意味な気合を込めてツモった。

「願いや気合いでツモ牌は変わらない。
そんな暇があったら全ての可能性に備えろっていう話だ。」

これは4月に書かせていただいた予選の自戦記で、自分への戒めも込めて書いたもの。
学習能力の低い自分にホトホト情けなくなる。
がなくなったらどうするか?」
「相手の進行は?」
「どこからテンパイ料狙いに切り替えるか?」
考えることはいくらでもあるじゃないか。

そして迎えた17巡目

この井上からのをスルーという、「完全なミス」をついに犯してしまう。
親の仕掛けは序盤の切り出しからマンズのホンイツを含みにしたものだろうから、
手牌4枚はほぼマンズのみorマンズと字牌。
最悪まであり、マンズは切れない。
ここはポンしてを外す一手だった。

本局は本田の一人テンパイで流局。
1本場となり、多井から5200は5500の直撃がOKに。
マンガンツモは同点のため不可なのは変わっていない。

11巡目

メンホンテンパイを果たすが、1ハン足りない。
多井の河を見るとまっすぐ進めているように見える。
リーチで一発に賭けるか、それとも…
実戦はリーチで一発ツモに賭けたが、切りは有力だったように思う。
ホンイツ模様の私から親に通っていないが余ればリーチを掛けずとも多井のブレーキになる。
そのうえでツモったならフリテンリーチ、

引きならアガリ方が無条件のリーチをかける。
この道もあったか。

一発ではツモることはできず、この時はこれ以降ははツモ切るつもりでいた。

14巡目、親がドラメンツを2つ晒す。
そこに多井、打

なんだこのは?


親に対してリャンメンはほぼないにせよ、シャンポンは全く否定できない牌である。
少なくともオリている者の打牌ではない。
これを見た瞬間、裏ドラ期待でツモはアガることを決意した。

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