を鳴かずとも、有効牌が多いこの手。むやみやたらと手牌を短くすることなく、小林は手を進めていった。
7巡目に、
待ちのテンパイを入れた小林。この仕掛けが、
亜樹のメンホンテンパイと、
内川のチンイツの手を食い止める!
内川が切ったを小林がロン。の1000は1900点の直撃で小林が内川をまくり返す。
さぁ。オーラスのアガリ勝負だ。
がアンコでをポンした小林。
小林の選択は、
打!を切っても、とはのアンコがあるため複合形で使える。また、やを引いてもドラそばの待ちで鳴きにくく、そしてアガリにくくなってしまう。
ドラ周辺の受けにならないようにすると同時に、チーからの中単騎や、中での守備も想定した一打だ。内川に切りにくくなる前にを離したという要素もあるか。
数巡後、
小林が切ったを、
内川がチー!タンヤオへ向かう。
まずテンパイを入れたのは、
小林だった。望外のカンを引き込んでのソウズ三面張だ。
その次の手番、
内川もテンパイ!マンズを鳴いてのマンズ待ちも絶好だ。
チームを背負って立つ、ドラフト1位の両者。
勝つのは、小林か!?内川か!?
近藤からが打たれた!!内川だ!!!
タンヤオ、1000点のアガリで内川がトップ。サクラナイツがボーダー争いから抜け出す、貴重な一勝をチームにもたらした。
一方の小林。選択の荒波を乗りこなし、最後までトップ争いを繰り広げたが、一歩届かず2着となった。
厳しい展開が続くPirates。
しかし、止まない嵐はない。
残り25戦。今日船長が示してくれたように、小林、朝倉、石橋、瑞原、選手全員が目の前の選択を一つ一つ丁寧にクリアすれば、きっと道は拓かれる。Piratesファンはそう信じている。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite