鉄壁の日向からこぼれた運命の「南」 石橋伸洋が示す、逆転優勝までの航路【Mリーグ2020観戦記2/16】担当記者:ZERO

自分だったらポンして切るかなーと思っていたら

石橋はをツモってきた!

チャンタ含みの選択が正解になった。

さらに

石橋はをチー!

美しくない。
実に美しくない。

この仕掛けに役牌はよほどのことが無いかぎり出ないだろう。

しかし、まごうことなきマンガンテンパイである。

しかも周りからはマンガンに見えていない。

仕掛けたのが石橋だからだ。

フーロ率が31%とMリーガー30人の中で小林の次に高く、かなり遠いところからも仕掛けていく。

実際、あの鉄壁の日向も

石橋が1フーロしている時点でを切り飛ばしている。

今までのクソ仕掛け…いや遠い仕掛けが、この本手をボカすために活きてきているのだ!

そう考えるとポンしてドラ3枚を見せるよりもチーしたほうがは鳴きやすいのかも…さきほどポンすると思った自分は考え直した。

日向の残したが危ない。

すると役牌を掴まなかった茅森がリーチを打つ。↓

リーチを受けた石橋。↓

一発で無筋のをツモってくる。
せっかくトップ目に立った場面だが、茅森にマンガンを打ち上げると一転してラスに舞い戻ってしまう。

弱気な打ち手なら、は誰かに持たれている可能性が高い…などと言って確実にオリる場面だ。

しかし石橋は自分の打ち筋を曲げなかった。

力強くを踏み込んだのだ!

ここで放銃してラスになろうとも、俺は俺の戦い方を貫き、俺は俺の運命に添うべきだと、そういう意思の強さを感じる切り方だった。

そしてそして、このタイミングで日向にテンパイが入ってしまう。

を押した石橋は確実にテンパイしているだろう。

そして見えていない役牌はしかない。

ただ石橋は2900の可能性も十分にある。

そしてを押すということは役牌暗刻なのかもしれない。

様々な思いが日向の頭を駆けめぐる。

捨て牌を凝視する日向と天命を待つ石橋。

こうして…

石橋のこれまでの姿勢が、鉄壁の日向にを打たせたのだった。

2局連続による親マンのアガリによって、セーフティリードと呼べる点棒を築き上げた。

こうして石橋はオーラスも自力でアガリを決め…

Piratesに念願のトップを持ち帰ることに成功した。

今シーズン2度目のインタビューに、慣れないと苦笑いする石橋。

石橋のトップにより、Piratesはあとワントップでカットラインの6位になる位置まで見えてきた。

泣いても笑っても、残り14試合で2チームが姿を消す。

石橋が力強く押したのように、ここからは選手の魂の詰まった、見るものの心を震わす一打が何度も繰り広げられるだろう。

毎年言っているが、残り1ヶ月を切ってからがMリーグの面白さが凝縮される期間である。

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