灼熱のタキヒサ決戦 滝沢和典は冷静な判断と強靱な意志で勝利を掴む【Mリーグ2020セミファイナル観戦記4/19】担当記者:東川亮

東3局3本場、岡田が萩原から5200は6100を出アガると、さらに次局はがリーチツモ三暗刻【南】赤の3000-6000ツモ。

一気に点数を回復し、第三勢力として名乗りを上げる。

南3局

寿人がドラドラ赤の好配牌。

こういう手を寿人が仕上げて大トップを獲得するのは、レギュラーシーズンで何度も見た気がする。

しかし寿人のツモはなかなか伸びず、先手を取ったのは滝沢。

リーチタンヤオ平和ドラ、満貫のリーチは逆転への足がかりになり得る一撃だ。

得点に余裕がある寿人は、【1マン】【2マン】【3マン】から【2マン】を抜いて一旦受けにまわる。

ただ、この【7ソウ】引きで手詰まってしまった。

滝沢はリーチ後に何枚か現物を増やしてはいるが、ことごとく寿人が持っていない牌だったのである。

前巡にツモ切った【8マン】も、ワンチャンスとは言え無スジ。

そして、現物もスジもないところから何を切るか。

選ばれたのは、【2ピン】だった。

滝沢としては、最高の形となる8000直撃。

これでオーラスの展開はまったく分からなくなった。

滝沢・寿人の流局で迎えた南4局1本場

滝沢はリャンメンターツをいくつか抱えていたが、ここで【2マン】【3マン】ターツに手をかけた。

【1マン】が3枚切れていて機能が低下したことが大きいが、ソーズを厚く持っているため、ここからホンイツに向かうことも可能。

仕掛けも使える上、序盤に手牌構成上切った【2ソウ】が若干のカムフラージュになる。

アガればトップの寿人は平和手順。

リーチをかけない形で、静かに終わらせにかかる。

先にテンパイしたのは寿人。

【6マン】【9マン】待ちは、ホンイツ模様の滝沢は止めようもない。

しかし、滝沢も追いついた。

しかも門前テンパイ、ホンイツpastedGraphic_29.png満貫である。

 

どちらのアガリ牌も、山にはあった。

しかし、その後先でチームの命運は大きく変わる。

そして、先に積まれていたのは、【3ソウ】だった。

自身の元に訪れたそれは、勝利目前の寿人にとっては不要なものだった。

 

12000は12300。

両者の明暗が、ハッキリと分かれた瞬間だった。

次局はドラ3赤の配牌をもらった岡田がリーチをかけてツモり、3000-6000は3200-6200。

寿人は最終的に、3着でこの試合を終えることとなってしまった。

寿人としては、トップが十分見えるところからの痛恨の失速。

【2ピン】放銃が分岐点だったとし、悔しさをあらわにしていた。

このセミファイナルでは、まだ佐々木寿人らしい豪快なトップを取れていない。

残り試合で、レギュラーシーズンを席巻した魔王の復活は見られるのか。

勝った滝沢は、この試合を一つの勝負どころだと捉えていたという。

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