解任上等!剣ヶ峰で真剣勝負を楽しむ滝沢和典の麻雀【Mリーグ2020セミファイナル観戦記4/27】担当記者:ZERO

【赤5ソウ】を引き寄せての2000・4000。

滝沢は麻雀中に感情を表に出すことはないが、この日ばかりは

風林火山のユニフォームの如く、真っ赤に燃える炎がたしかに見えた。

 

東2局 頭は冷たく

瀬戸熊はこの手牌で、上家から打たれた【東】をスルーした。

ポンすると、【東】・ドラドラの3900テンパイになる。

しかし解説の渋川も、見ている我々も、瀬戸熊は1枚目から鳴くことはないだろうと想像がついていた。

そして

【2ソウ】【5ソウ】を引き込んでのリーチ。

これが雷電の麻雀。

そして俺の麻雀。

崖っぷちに立たされても、俺の麻雀は変わらない。

そのリーチを受けた滝沢の一発目だった。↓

【白】を重ね、チートイツのテンパイ。

【東】はリーチの直前に切られたばかりなので、滝沢から見ると待ち頃に見えているはず。

しかし実際は瀬戸熊がスルーしたのでカラテンになる。

【東】単騎でリーチを打ってしまったら絶望的だ。

しかし滝沢はさして迷うことなく

その【東】を切って【5ソウ】タンキに受けた。

なんだろう、崖っぷちで心が燃えていると良さげな【東】タンキでリーチを打ちたくなりそうなものだが…

しずかなること林の如く…か、なんてありがちなワードが頭をかすめる。

続いての選択

ツモ【2ソウ】

【2ソウ】【5ソウ】は通っていない。

【東】でリーチを打たなかったということは、ここで撤退するか…と思いきや

滝沢は【5ソウ】を押す。

いわゆる「開拓プッシュ」というやつだ。

【5ソウ】を押しておけば、次にまた無筋をツモってきたときに【2ソウ】を切りやすい。

結果的にテンパイしている期間を引き伸ばすことができ、それはアガリ抽選を多く受けることに繋がる。

それにしても、全面戦争とばかりにリーチをぶつけるわけでもなく、かといってベタオリするわけでもない。

ハートは熱くとも、頭は冷静。

そして牌も

応えてくれる。

滝沢の「最後になるかもしれない夜」は、全てがうまくいく滑り出しだった。

 

東3局 侵掠すること

親を迎えた滝沢はダブ【東】をポンした。↓

ピンズをかき集め、くっつきのイーシャンテンに。

ドラの【9ピン】を使えば、6000オール以上の決め手になる。

しかし、ふいにツモってきた【4マン】に手を止める。↓

滝沢はドラ【9ピン】が3枚打たれたことを確認し…

その【9ピン】を河に放流した。

こう構えることにより、受け入れが広がるだけでなく、ピンズのホンイツがボケることが大きい。

例えば次に何かしらのピンズをツモ、もしくは鳴いてテンパイした時に、手から【4マン】が出るわけで相手から(あれ、ピンズのホンイツじゃないんだ)と思わせることができる。

結局この【4マン】を重ね…

【7ピン】をツモっての2600オールになった。

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