滝沢和典が見せた
禁断のガラクタリーチ!
佐々木寿人に楽な選択を
させない苛烈な麻雀!
文・危険な鬼太郎【火曜担当ライター】2021年4月27日
この対局メンバーの4選手は信頼できる2選手とまったく信頼できない2選手に分ける事が出来る。
滝沢は仕掛けにしたってリーチにしたってかなりの信頼度を誇っている打ち手で、黒沢は言わずもがな。黒沢がリーチを打てば大概が高打点だし、仕掛けだとマンガンスタートと言っても過言ではない。
対して寿人は仕掛けに関してある程度バランスを取った選択をすることが多いが、ペンチャンやカンチャンのガラクタリーチを好み、たろうはもう高い手を作る為には守備を考えずバラバラな手牌から仕掛ける事も辞さない打ち手。3枚鳴いても聴牌してない事もざらだ。たろうは裸単騎じゃないと聴牌かどうか看破できない打ち手。
このセミファイナルの重要な局面で集まった個性ぶつかる4者の対局を書いていきたい。
4月27日 2回戦
西家 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東2局1本場 親・滝沢 ドラ
寿人が2枚目のをポン!
ここは打。めいいっぱいなら字牌のや打ちだが、これらが重なると1役増える可能性があり3900になるかもしれないので積極的に残したい。
を切ったとしても裏目は引きぐらいしか存在せず、しかもこの手がもしシャンポン聴牌になった場合、最終手出しがだと周りのが警戒されるので早めに切っておきたい所。寿人としては字牌とのシャンポン待ちになるのがベストか。
この寿人の手がモタついている間にたろうが追いつきリーチ宣言!
リーチピンフ赤ドラの待ち。打点が無く聴牌していない寿人はあっさりと牌を抜いて降りたので一人旅になるかと思いきや、ここで好形イーシャンテンが入る親の滝沢。
超好形のイーシャンテンだが、イーシャンテンに取って聴牌を入れる為には最低二筋の無筋を打たなければならなくなる手牌。
確かに三色が見える手牌ではあるものの、この手から無筋を2枚打つのもどうか。を打てば手はリャンシャンテンにはなるものの、手はタンヤオになり仕掛けられる手牌にもなる。
しかし滝沢は
一番強気な打を選択。当然も打つ予定だ。
滝沢がいくら親番と言えども無筋を打つからにはそれ相応の理由が伴う。これは
「たろうのリーチにはまだ通っていない筋が多すぎる事」
「最悪たろうのリーチに振り込んでも最悪では無い事」
「もしこの手をアガリ切れればこの試合を相当有利に展開する事が出来る」
から切った打だと思われる。
単純にたろうのリーチには無筋が多く目を瞑って牌を切ったとしても振り込む事はそうはない。そして風林火山としては4位のコナミがトップを取って4位のボーダーがこれ以上あがる事は最悪。ならたろうには多少甘く打って最悪ドリブンズにならトップを取られてもいいし、この手牌は三色まで付けば跳満の6000オールまで狙える。当然押しだ。
イーシャンテンが滝沢に無筋を打つ事を許す。滝沢がを掴みそのままプッシュ。
ノータイムで無筋を軽くプッシュするのが滝沢らしい。しかしはたろうのロン牌でリーチピンフ赤ドラの8000の放銃。覚悟の上だとは言え痛い放銃だ。
東3局 親・寿人ドラ
打点が主食なたろうがをツモって小考。
前順にを切ったのでこのは切るしかない気がするが…。
ここはカン払いの打。
リャンシャンテン戻しを選択。これは1巡前と今では状況が違いすぎる故の選択だ。
1巡前はは1枚切れだったが今は2枚切れ。
カン待ちではリーチに行けなくなったし、
を引いて聴牌する確率も減った。ならば例えがフリテンでもを残して優秀なターツを作りに行く。
この選択が見事にはまりを引いて
フリテンのターツが出来ると…。
見事にフリテンのを引いてフリテン解消。
当然ドラのを切ってののピンフ赤ドラリーチだ!