「てめえ、ハツられたいのか!」
サイドテーブルの灰皿を掴んで、私の頭に叩きつけたんです。
ポコポコヘッドですわ。
避けなかった私は灰まみれのビショビショになりましたが、実は安心しました。
社長が本気だったら、近くにあった、直径30センチのクリスタル製の灰皿でやられてたハズです。
これを縦に持って打ち下ろされたら、運が良くても頭蓋骨陥没。
相手は解体のプロですからね。
ちなみにハツるというのは、工事現場用語で、主にコンクリを削ったり壊したりすること。
顔をハツられるなんて、想像しただけでも恐ろしい。
他でこの言葉を聞いたのは、大阪泉南岸和田在住のピカレスク作家、中場利一さんです。
私は懲りずにその後も社長と打ちましたが、一番怖かったのは暴力ではありませんでした。
「アンタの店にバキュームカーで突っ込んでやろうか!」
私は当時銀玉親方だったこともあり、実際にパチンコ店でこれをやられた店も知ってました。
ましてや飲食関係でやられたら、復活はまず無理ですからね。
あまり知らない人にサシ馬を誘われても、丁寧に辞退しましょう。
見栄や意地、あるいは欲に駆られて参加しても(私か)トータルのリスクが高くなるだけです。
でも
「実質レートはいつもの2倍まで」
くらいならいいかな。
※ポコポコヘッドはYouTubeで検索してね。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2016年6月1日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/