麻雀も人生も、チャンスはそう何度も来るものじゃありません。
次にチャンスがあると思わず、やってきたチャンスは逃さない! という気持ちが大事でしょう。
かくいう僕も数多くのチャンスを逃してきた男の1人です。いや、そんな悲しい話はどうでもいいです!
それでは、今回も麻雀最強戦の一コマから出題です。
問題
2位まで通過の一戦勝負、現在3着目ですが親番の「ファンタジスタ」鈴木達也選手。
この局面で、何を切ったでしょうか?
解答
打
解説
この手だけを見ると、いらないのは間違いなくでしょう。
親番なので、何点和了ろうとも次局があるので、とにかく早くリーチを打ちたい!そう思うのが自然な考えでしょう。
では何故を切ったのか?その理由を考えてみましょう。
①瀬戸熊選手、村上選手はリードしていてお互いの利害は一致しているので、協力してくる
②ここで仮に安手をアガっても、次局はまた2人で協力されるのでかなり不利な戦いになる
③ここで4000オールをすると、村上選手を逆転できる
④この手は圧倒的にスピードで勝っているので、慌ててリーチのみやリーチピンフにするのではなく、4000オールを狙いたい
⑤この手で4000オールを狙うには、789の三色、678の三色、マンズの一気通貫、ドラを使ってのリーチなど
⑥つまり、この受けは4000オールにはあまり必要ない
という理屈で、の方がより必要!となったのです。
ここで大事なのは、先制リーチが強いのは間違いないですしマンズの一気通貫もなり辛いので切るのも有力な候補です。
しかし、達也選手はチャンスは何度も来ないというのを経験則で知っていたのでしょう。
4000オールを絶対仕上げるんだという強い意志で、リーチのみを拒否するを切りました。
そしてこの強い意志が、このテンパイを産みました。
は2枚切れですが、まさかドラのを切って2枚切れのカンにしているとは周りは思いません。
安全牌が無くなればはかなり選ばれやすいでしょう。
しかもしっかり山にも残っていたので、直撃ツモどちらもあり得る状況でした。
しかし、百戦錬磨の他三選手はきっちりとオリ、達也選手のツモ筋にもいなく流局となってしまい、その後粘ったものの達也選手は敗退となってしまいました。
ただ、ここでリーチのみの先制リーチを打って仮に和了れていたとしても、同じく敗退となるような点差だったので、ここで決めるという狙いはしっかりあっていたのです。
チャンスは何度もこない! これは大事な考え方ですのでぜひ覚えて帰ってください。
それでは、また!
渋川通信
リーグ戦もそろそろ佳境に入ってきました。現在2位で、決定戦進出ラインの3位が十分現実的な位置なので応援よろしくお願いします!
この記事に使われた対局はこちら → 麻雀最強戦2021男子プロ一撃必殺予選A卓