麻雀番組で強くなれ【第11回】鈴木たろう編

その11 自分の読みを信じろ

麻雀は、セオリーも大事ですが、それと同じくらい自分の「読み」も大事となります。

極論を言うと、国士無双13面待ちテンパイが入っても、切る牌が確実に当たり牌だと読めていれば切らない方が得だ!ということです。

実際には確実に当たる!なんてことはほぼ無いので国士無双をオリることは無いですが、読みを入れることによってセオリーとは外れた選択をすることは多々あります。
それでは早速こちらをご覧ください。
「ゼウスの選択」と言われるほど、独特の発想力で自由な選択をす鈴木たろう選手、対面からリーチが入っている状況で何を切ったでしょうか?

ヒント:を切ればカン待ちテンパイだが場にが3枚見え。

解答

 

解説
この選択を見たとき、僕は思わず声を上げました。それほど見事な選択だったのです。
さて、それではまず状況をまとめましょう。


①トップ争いの真っ最中。マンガンツモ出来ると多井選手を逆転できる
②自身はを切るとドラドラのカンテンパイ。そして現物、生牌。しかもカンされているのでも別に良くはない
③マンガンを放銃しても、まだ二着は安泰。

 

普通に考えればここは強気にリーチ、もしくは少し弱気にヤミテン、この二択でしょう。
アグレッシブなたろう選手はリーチしてマンガンをツモりにいくんだろうな、と思っていましたが、先ほど言った通りたろう選手はここでを切ったのです。
通常では考えられない打牌ですが、ここにはたろう選手の「読み」があったのです。
それではどんな読みだったのか解説していきましょう。

たろう選手の読み


が3枚、が3枚自身から見えているのにが一枚も見えていないのは少しキナ臭い。
②トップ目で鉄壁の多井選手が、一発目に無筋のを手から勝負。よっぽどの手か、もしくはが通りやすい根拠があるのではないか?
が通りやすい根拠を考えると、がアンコもしくはカンツで持っている壁が濃厚。つまり、が薄い可能性がある。
④さらに、それを見た高宮選手もを手出し。を孤立で持っていたとは考えづらいので、その周辺のはこちらもかなり持っていそう
⑤さらに和久津選手も切りリーチなので、を固めてる可能性もある。
⑥3人ともを固めてる可能性があるこの状況で、誰一人固めていないと考えるのは、自分に都合が良すぎる。
⑦そしてよく見ると、は無いけれどはありそうなので、テンパイを外してもまだ十分戦える
⑧となると、が重なる可能性は低いしもない可能性が高いので、ここは切り

ということです。
この短時間にここまで考えられるのは、普段の鍛錬の賜物だと思います。
これからもたろう選手の戦いが楽しみでならない。そう思えるような選択でした。
そしてこの瞬間、実際には山に一枚もありませんでした。

読みは難しいですけど、できるようになると麻雀がさらに楽しく深くなるので、少しづつでいいので皆さんも練習してみてください。

もう一度全員の手牌を隠したものをお見せします。たろう選手のような推理ができるか試してみてください。


それでは、また!

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀戦術シリーズ 新刊情報/