会社は学校じゃねぇんだよ サイバーエージェント社長・藤田晋の著書「仕事が麻雀で麻雀が仕事」が記すビジネス論
「藤田は勝負強い!」
ビジネスの世界でもそう呼び声の高いサイバーエージェント・藤田晋社長による「勝負強さ」を身につけるための実践記が麻雀ファンだけでなく、麻雀を知らないビジネスマンの間でも話題を集めている。キンマWebでは2018年8月に発売された著書
「仕事が麻雀で麻雀が仕事」
の中から、作者・藤田晋氏が特に伝えたい、麻雀を知らない人が、麻雀に興味を持ってもらえるような記事を抜粋して紹介していきます。
【会社は学校じゃねえんだよ】
AbemaTVのドラマ「会社は学校じゃねえんだよ」が好評を博してます。私の著書「渋谷ではたらく社長の告白」をベースに創作した、夢を追う若者たちの物語です。主人公の「会社は学校じゃねえだんだよ!」という決めゼリフに「スカッとした」など前向きな感想を数多くもらってます。
会社が学校でないのは当たり前ですが、多くの人がこの言葉に共感するのには理由があります。共通点が多くて勘違いしやすいからです。会社に就職しても、学生時代と同じように上司や先輩から教わったり、職場の仲間と友情が芽生えたり、時には恋愛に発展したりもします。
では、根本から会社と学校を分けるものは何でしょう。それは、前者はお金を払っているのに対し、後者はもらっていることです。この二つは天と地ほどに違います。
お金(授業料)を払っていれば、生徒は平等に扱えと要求したり、公平公正でないと不満が漏れるのもわかります。一方、会社で何か権利を主張したいなら、自分にそれ相応の価値がなければいけません。それが金を稼ぐプロの世界です。
では麻雀プロの世界はどうでしょう?私に言わせれば、比較的規律の厳しい日本プロ麻雀連盟、人気のある女流プロ、あと一部のトッププロの中には立派なプロ意識を持った方がいますが、2000人いると言われる麻雀プロ全体のプロ意識は低いです。でも、これには歴史的、構造的に難しい問題があるようです。
プロはみんながお金を払ってやる競技をプレイして、逆にお金をもらいます。アマとの明確な違いがないと、それは成立しません。憧れ、尊敬、手の届かない存在であろうと、どのプロ業界も必死に努力しています。将棋界に格式が感じられるのはそのためです。その点、麻雀プロはSNSやニコ生などと共に発展したことによる影響もあって、ファンとの距離感が近すぎです。自分と何が違うんだろうと思われたらプロは終わりです。
じゃあプロを名乗るならビシッとしろと言われても、プロも辛いかもしれません。麻雀プロの収入でちゃんと稼げているのはごく一部で、逆に持ち出しの方が多い人もいて、その涙ぐましい努力でなんとか成立しているのが今の麻雀プロの実情だからです。
しかし、稼げてなくても皆がプロとして意識を高く持つしか、その構造を根本から変えていく道はありません。プロの麻雀は遊びじゃねえんだよ!ということで。
※サイバーエージェント社長・藤田晋 著「仕事は麻雀で麻雀は仕事」より抜粋
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