たろうくんと賢くん、赤坂ドリブンズの“年の瀬猛ドリブル!”【熱論!Mリーグ】

熱論!Mリーグ【Tue】

たろうくんと賢くん

赤坂ドリブンズの

“年の瀬猛ドリブル!”

文・ZERO【火曜担当ライター】2018年12月18日

 

大混戦だ。

トップ・ラスで約100pt変わるので、野球でいう1ゲーム差=100ptと考えるとしよう。すると終盤に差し掛かっているにもかかわらず、7チームが4.5ゲーム差にひしめき合っていると言える。そんな中、本日躍進したチームがある。

赤坂ドリブンズだ。今回は陽気なおじさん3人衆であるドリブンズの思考を徹底研究していこうと思う。

先発は鈴木たろう

 

開局にドラ3枚のチャンスを手にする。

たろうはこの配牌から打

メンゼンリーチが近くに見えるときは、役牌から切りだすことをドリブンズの3人は徹底している。

にくっつくよりも、役牌重なり逃す方が痛くない?」

という疑問を持つ人も多いと思うが、仰るとおり「自分が役牌を重ねることの嬉しさ」は大きい。しかし「相手に重ねられてしまう痛さ」も同じくらい大きいのだ。

そしてたとえ相手に重なっていたとしても、先に切ることは大事。

例えば自分がこんな手だったとしよう。をポンして何を切るか。というくっつきの種は切りづらいし、かといってのペンチャンを払うにしろ安全牌のを切るにしろ、ロスが発生する。

つまり相手の手牌が整っていないうちに役牌を切り出すことは、たとえ鳴かれたとしても損な進行を強制することができると言えるのだ。

のくっつく枚数がの11枚もある、というメリットよりは、メンゼン勝負の土俵に上げといて、優位な配牌を活かすことの意味の方が大きいと思う。

…と切り飛ばしていき、狙い通りのリーチにたどり着いたたろうは…

ツモ。裏ドラも乗って4000・8000のスタートを決める。

気分よく迎えた次局。

たろうは2巡目にツモってきたドラのを…

ポーンと切ってしまう。

「麻雀で大事なのは遠慮しないこと。言われた通り打っても、自分の中で消化されません。たとえ痛い目にあっても、それが自分の経験となり次に繋がります」

これは、たろうがとある勉強会の講師として投げかけた言葉である。

「19→役牌の順番で切りましょう」

「ドラはある程度整ってから切りましょう」

麻雀戦術本などに書いてあることや常識とされていることを鵜呑みにしていては、いつまでたっても自分で考える力がつかない。

怒られるのでは…。場を乱すのでは…。そういう遠慮はしないで、自分が面白そうと思ったことはとりあえずやってみるのがたろう流。失敗も多く経験してきたと思うが、その積み重ねは人が思いつかないような奇抜な選択肢や発想を生み出している。

オタ風のドラが鳴かれる可能性はかなり低い。鳴かれたら対応すればいい。

点棒的優位と戦えそうな手牌が目の前にある今、一番危険度の低い最序盤でリリースしておいて、またしてもメンゼンの土俵で戦いましょう…という戦略だ。

この局は流局。

たろうはこのように、他人に対しては「メンゼンで戦いましょう」と持ち掛けるくせに

自分はその誘いに乗らないからズルい(笑)

これくらいバラバラでもたろうは発進。

そして

なんとこのもチー。言葉通り一切「遠慮」を感じない。

私はこのは鳴けない。頭がなくなり不安定になるので速度がアガっているかも微妙に感じるからだ。

しかし2フーロしたことによって場は重くなった。亜樹・松本が脱落(オリ)し、あれよあれよといううちに

マンガンのツモアガリ。

これはたろうしかできないオリジナルなアガリなのではないだろうか。

この華やかなアガリの裏で多くの失敗をしてきたのだろう、しかし「遠慮」せず試してみないと、こういう成功体験を得ることもできない。多くの成功と失敗を積み重ね、そうしてはじめて選択のバランスを感じることができるのだ。

微妙に見える仕掛けも、相手が対応してくれるメリットは実際に仕掛けてみないと体感できないし、気に病むほど手詰まるわけではないことも、多く実戦したからこそわかっているのだ。

このマンガンが決まり手となり

破顔一笑のインタビュー。1回戦を見事大きなトップで終えた。

このインタビューでもやはり

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