今季の雷電は面白いんです! 積年の感情を爆発させたオーラスの逆転劇 【Mリーグ2021観戦記10/5】担当記者:ZERO

なんとこの形のまま3段目に突入する。

いつもそうだ。俺はあと一歩のところで届かない。

ひたすら相手の先制を受け、たまに顔を出すと放銃する。

相手の華麗なアガリを悔しい気持ちで眺めるだけの3年間。

瀬戸熊・黒沢という仲間にも、そして変わらず応援してくれる雷電ユニバースのみんなにも、裏切り続ける結果となってしまった。

そんな気持ちでいた13巡目、ふいにツモってきた【3ピン】に手を止める。↓

もう、スリムに構えるような巡目でない。打【4ソウ】

次の巡目、ようやく時が満ちた。

ドラの【東】をツモってのテンパイ!

局面が長引いたこと、テンパイしてくれたこと、そしてまだこの舞台に立てること… その全てに感謝しながら萩原は絞り出すように発声した。

「…リーチ!」

チーム雷電の… 3年間溜まりに溜まった澱(おり)のような感情が萩原のリーチ棒に乗り移る。

頼む… ツモれ!

牌が砕けるのではないかと思うくらいゴリゴリに盲牌する萩原。

…がっ! ツモれない。

今季も、届かないのか…!

そしてそれは最終ツモ番だった。

「ツモ、2000・4000」

雷電ユニバースの鬱屈した思いが爆発した瞬間だった。

昨年クリスマスまでトップを取れなかった男が、開幕戦での逆転トップを決めた。

続く2戦目も黒沢がトップを取り、雷電の連勝となった。

次に瀬戸熊、そして新人の本田の活躍にも期待ができる。

今シーズンの雷電は…

面白いんです!

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