「切らねぇよ!?」
驚異のビタ止め!
仲林圭の守備力を
とくとご覧あれ
文・徳岡明信【月曜担当ライター】2024年1月15日
第1試合
新旧メンバー入り混じったチームの実力派が揃った一戦
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
西家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
混沌とするボーター間にいるEX風林火山に渋谷ABEMAS、
その姿を懸命に追うセガサミーフェニックス。
首位とは言え、今まで幾多の逆転劇を見せつけられたこの舞台、
U-NEXT Piratesも一切油断できない。
中盤戦の勝負所といったメンツでの激戦必至の試合、
とくとご覧あれ。
東1局
「リーチ」
早、6巡目に落ち着いたリーチ宣言が聞こえてくる。
前回の試合、待望の2勝目を挙げ、ここから反撃モードといきたいセガサミーフェニックスのオールドルーキー、醍醐大。
業界内の評価はトップクラス、
しかしここまでくすぶっている醍醐にとって、この辺りで起爆剤が欲しいのは言うまでも無い。
本日フェニックスの控室には近藤監督、また前監督の吉野氏も来られている。
不死鳥が燃えない訳が無いだろう。
しかしその不死鳥の燃ゆる情熱を鎮火させようと目論むのは青き水の上の海賊だ。
仲林圭、ここまで仲林らしい「無難」な麻雀で成績も無難にまとめている。
しかしその内容は全く「無難」では無い。
極限まで踏み込む攻め、圧巻の守り、
普通の事を普通以上にこなす麻雀が仲林の魅力である。
本日の試合、その仲林の良さが充分に発揮された試合となった。
醍醐のリーチに対して丁寧に対応しながら5200のテンパイを果たす。
この時カンは山に3枚、充分に醍醐のリーチを交わす可能性もある。
しかし、先に当たり牌を掴んだのは仲林であった。
ただ、仲林は切らない、当たり前のように自ら通したを落として迂回する。
「チー」
終盤にはサボらない形式テンパイもしっかりと入れて、
目論み通りに醍醐と仲林の2人テンパイで流局する。
仲林のテンパイ形を見て何かを悟るような醍醐。
が止められているのは見え見えだ。
勿論、そう簡単に打ち出される牌では無いというのは認識しているのは当たり前だが、
今目の前にいるプレーヤーの壁の高さはひしひしと感じているかも知れない。
次局の東2局1本場、仲林が醍醐から8000は8300を加点する。
微差ながら優位に立った仲林、逆にまたも今シーズンを象徴するような窮地からのスタートとなってしまった醍醐。