ちなみに原の出身地、静岡といえば望月雅継プロがいる。彼のアガった清老頭動画は290万回再生されている。望月の生霊が乗り移ったとしか思えない、突然の出来事であった。
南3局1本場 ドラ
まさかの清老頭の横移動で3着目となった渡邉が意地を見せる。
2着目の小宮まで10,100点差。
供託1,000点。この状況で原が切ったを見逃した。弱冠24歳でこの判断力は恐ろしい。
2,600は2,900と供託1本を得てオーラスにもう1度かけるよりも、ここで高打点を狙う道を選んだ。
そしてドラのを引き入れると、なんとリーチまで宣言。この局で小宮の上に行くぞ、という執念を感じる。
しかし実らず、親の高口と2人テンパイ。
流局となった。
次に勝負手が入ったのは、2着目・小宮。
南3局2本場 供託3本
ヤミテンであがっても、そこそこのリード。ライバル渡邉の満貫ツモ条件を消す事ができる。
どっちだ?
小宮はすうっと深く息を吸うと、意を決してリーチと発声した。
青天の霹靂で、箱下になってしまった親の高口。
メンピン高め一盃口で当然追いかける。
アガりたい! みんなアガりたい。
高口だって、親が続くかぎりチャンスはまだあるんだ。
力のこもった、本日の何度目かのめくり合い。
神様は小宮に味方した。
このアガりが決め手になり、小宮と役満を成就させた原が通過を決めた。
1位通過
小宮悠
「もう一度麻雀を打てるのが素直に嬉しい。よかったら応援して下さい」
2位通過
原佑典
「応援してくれた皆様がアガらせてくれた役満。この後も頑張るので見ていて下さい」
役満をアガった原には株式会社サイバーエージェントより役満賞が贈られた。
負けた2人も存分に持ち味を発揮した、濃密なB卓戦であった。
濃密すぎて息子はギャン泣きし、私の背中でいつの間にか眠っている。
この後、決勝で938分の1の椅子に座るのは誰なのか? 原は役満以外アガる事ができるのか?
全日本プロ選手権で一番麻雀が強い奴は…
誰だっ…!!(エコー)
日本プロ麻雀連盟25期生。C1リーグ所属。現在は育休中。愛息を育てながらロン2に励む日々を送りつつ、復帰への闘志を燃やしている。座右の銘は「苦悩をつきぬけて、歓喜にいたれ」
Twitter:@FujiiSumire