また、親の寿人もメンツ1つでドラが浮いており、さすがに戦える形ではない。早々に手じまいをし、流局か横移動での3着キープに方針を変えた。
内川もツモれず、結果は流局で試合終了。オーラスは全ての展開が丸山に利していた。結果的にその布石となったのが、前局のダマテン1300だった。丸山は、見事にタイトロープを渡りきった。
10月21日以来となる、自身の、そしてチームの勝利。それが決まった瞬間の、何かをこらえるような丸山の表情が、いろいろなものを物語っているように感じた。
終盤の接戦において、丸山は「動かない」ことを選んだ。それは、はた目には臆病と捉えられるかもしれないが、動かず多くの選択肢を残すことは、それだけ先の選択から逃げないとも言い換えられる。どんな厳しい局面でも、あらゆる可能性から最適解を追う。この試合はそんなドリブンズの麻雀を、彼女なりに体現した一戦だったと言えるのではないだろうか。
最後は笑顔に。この日の対局は「花マル子」でした。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。