『ルミアキvsタキヒサ』第2ラウンド 佐々木寿人が『ルミアキ』の向こうに見るライバル【Mリーグ2021観戦記11/4】担当記者:東川亮

・・・どういう顔? 髪型も含め、なんだか漫画のキャラクターみたいだ。

寿人は現物やスジでまわりながらも手の形はキープ。リーチ後に朝倉のロン牌【6ソウ】を3枚吸収して押し返せる形になると、生牌【發】を押した。

そして注目したいのが、次巡の【1ソウ】をノータイムで打ち抜いたことだ。

河を見ると、マンズピンズがかなり通っている一方で、ソーズが全く切れていない。【1ソウ】は放銃リスクを考えたくなる牌だが、そこで少しでも手元に留めてしまうと、もう切りにくくなってしまう。

勝負と決断したなら、押せるところまで躊躇なく押す。この試合で初めて「寿人らしさ」が見られた瞬間だったかもしれない。

そしてテンパイ、待ちを選べる。【4ソウ】【5ソウ】待ちか、【7ソウ】【8ソウ】待ちか。

寿人の逆転トップ条件は5200出アガリ。リーチをかければドラ【5ソウ】がなくとも条件クリア、【4ソウ】はワンチャンス。寿人は【4ソウ】切りの【7ソウ】【8ソウ】待ちリーチで追いかけた。

そこに萩原がテンパイで追いつく。しかし、出ていく牌はソーズ、しかも上。寿人が【1ソウ】【4ソウ】を通したことで、ソーズの上の危険度は上がっている。

萩原としては、ここで勝負をかける選択も、オリて次局にかける選択もあった。いろいろな可能性を考えただろう。

萩原の決断は、攻めの【8ソウ】切りリーチ。

一発放銃となり、しかも裏裏で12000。小さなアガリの応酬となった一戦を締めくくったのは、やはりと言えばいいのか、寿人の強烈な一撃だった。

園萩原「なんなん!?」

「ルミアキvsタキヒサ」は「タキヒサ」が連勝。対決を仕掛けた風林火山側としては苦い結果となったが、それでも2着2着でポイントはプラス、2チームが主役を務めた1日となった。「タキヒサ」が登場した日は2日とも連勝と、「タキヒサ」コンビはKONAMI麻雀格闘倶楽部にとって非常に良い影響をもたらしているようだ。

そして、やはり「タキヒサ」はコンビというよりライバルなのだろう。寿人は勝利者インタビューで、一緒に出ることについて「燃えるところもある」と語っていたし、滝沢は以前のインタビューで「個人ランキングで佐々木寿人より上にいたい」と語っている。そしてこの日の試合が終わった段階では、滝沢は96.2ポイントで個人3位、寿人も74.9ポイントで個人8位につけている。二人が互いを意識し、上回ろうとしていくことは、そのままチームの浮上にもつながっていく。そんな相乗効果が、KONAMI麻雀格闘倶楽部が滝沢を獲得した、大きな狙いの一つなのではないだろうか。

最後に1点。

場外でさまざまなやりとりが繰り広げられて迎えた、この日の試合。
外から見ればいろいろな意見があるだろう。
戦いの場で、こうしたなれ合いは不要という考えもあるかもしれない。
大仰にSNSを活用するより、麻雀で盛り上げてほしいと・・・しかし。
好みや賛否はあるだろうが、取り組みとしては「アリ」だと筆者は感じている。
きょうも元気に3000-6000!

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