縦横無尽・勝又健志 戦術の引き出しを武器に、いざスペシャルマッチへ出陣【 #最強戦2022 出場マッチ #EX風林火山 】

縦横無尽・勝又健志
戦術の引き出しを武器に
いざスペシャルマッチへ出陣

観戦記者:東川亮 2022年6月2日(木)

6月5日に行われる、麻雀最強戦とMリーグのコラボ大会「麻雀最強戦2022 Mリーグスペシャルマッチ」。Mリーグのシーズンオフ期間にMリーグの熱狂を味わえる、ファンにとっては待望のコンテンツである。

各チームは出場選手をそれぞれの形で決定してきた。チーム内協議で決めたチームもあれば、決定戦を行ったチームもあった。そして6月2日、最後に発表を控えたEX風林火山は、生配信によるチーム内公開対局で、選手同士が出場権を争うことになった。

思えば、風林火山がその方法を選ぶのは必然かもしれない。昨シーズン、実力勝負のドラフト指名選手決定オーディションを実施し、選手を獲得したチームである。権利は与えられるのではなく、勝ち取るもの。そういう気質が、チームに根付いているのだろう。

※この「最強戦代表決定戦」は赤ドラの入っている、Мリーグルールで行い、1半荘勝負で、トップを獲った選手が6月5日開催のスペシャルマッチにチームの代表として出場することとなる。

 

東3局の松ヶ瀬に選択。手の内にドラと赤が2枚ずつあり、打点は十分だが、さて何を切るか。

松ヶ瀬が選んだのは【9ソウ】【7ソウ】引きテンパイは逃すが、それよりも【赤5マン】を使い切ってハネ満クラスに仕上げたいという意図に感じられる。巡目もまだ4巡目、組み替える時間は十分にありそうだ。

カン【6マン】待ちはやや不満だが、ツモればハネ満からという大物手。ここは思い切ってリーチをかける。この時点で、【6マン】は3枚山。

直後、勝又もテンパイ。ただ、待ちはカン【5ソウ】にしてもカン【7ソウ】にしてもよくはない上、役もドラもない。一手変われば三色がつくケースもある。

それでも、ここはリーチ。現状トップ目とはいえ点差は微差で、松ヶ瀬に大物手を決められれば後の展開が苦しくなる。宣言牌候補の【1ソウ】【8ソウ】はどちらも現物だったが、【1ソウ】切りカン【7ソウ】待ちリーチとしたのは、ソーズの上が多く切られており、場況が良いと踏んだか。

勝ったのは勝又。裏ドラを乗せての1000-2000ツモは、加点はもちろん、松ヶ瀬の大物手を蹴れたことが大きい。東1局では3メンチャンリーチが流局、待ち牌が王牌に5枚という不遇を味わったが、ここはしっかりと決めきった。

東4局では、ホンイツが見えそうなところからカン【5ピン】をチーして【中】のみのテンパイを取る。ここは2番手松ヶ瀬の親を流しにいったかに見えたが、勝又は直前の亜樹のドラ【東】ツモ切りに速度を感じ、即座にかわし手に切り替えたそうだ。

すぐに決着しそうに見えたがなかなかアガれず、勝又は瑠美、亜樹のリーチを受ける。

【8ピン】【2ピン】などは押した勝又だったが、瑠美のロン牌【4ソウ】を引くやいなや、【中】の暗刻落としで撤退。このあたりの見切りはさすがだ。

この局は、亜樹が瑠美に8000を放銃。亜樹がやや離された状態で、対局は南場へと向かう。

南1局1本場
瑠美は【1マン】を引いてメンツが完成したところで、いったんは【1ピン】に手を伸ばしつつ【8ピン】を切った。受け入れ枚数で言えば、【1ピン】を切って【8ピン】を残せば【2ピン】【5ピン】【7ピン】の受け入れも増えるが、そうしなかった理由はやはり、123の三色を狙ったのだろう。

松ヶ瀬から先制リーチがかかるが、苦しいところを引き入れてカン【2ソウ】待ちで追っかけリーチ。山には残り1枚だったが・・・

1枚あれば一発ツモもある。リーチ一発ツモ三色の満貫で、瑠美がトップ目に浮上した。序盤から手役をしっかりと追って決めた一撃、このアガリにたどり着ける打ち手は、そう多くはないのではないだろうか。

南3局はまず、勝又がチートイツの1シャンテンから仕掛け出し、タンヤオトイトイ赤の満貫テンパイ。これをアガれば、オーラスを有利な立場で迎えられる。

そこへ、後のない亜樹が勝又のアガリ牌【5ピン】を引き入れ、ピンフ高目三色のリーチ。

松ヶ瀬は亜樹のリーチ宣言牌【4マン】を赤含みでチーして、【白】【發】ダブルバックの1シャンテン。松ヶ瀬としても、亜樹のアガリはもちろん、勝又のアガリもあまり歓迎できない。

【2ピン】を引いてテンパイ。この後、もしオリるなら白のトイツ落としだろうが、アガれたときの見返りが大きい手にもなっている。

勝ったのは松ヶ瀬、【白】ツモに三暗刻もついての2000-4000で、戦いは亜樹以外の3者が3万点台でひしめく、三つ巴の構図となり、オーラスを迎えた。

オーラス時点でのトップ目は瑠美。点差がなく自力決着必須の状況だけに、1巡目から【8ピン】ポンで積極的に動き出した。ターツは足りていないが、タンヤオ一直線の構想だろう。

勝又も【發】ポンで応戦。松ヶ瀬は第1打から【南】【發】と切り出しており、役牌を重ねられる前に処理したい考えだったと思われるが、【發】は勝又に配牌からトイツで入っていた。

さらに【4ソウ】ポン、【2ソウ】チーであっという間に北単騎の【發】ホンイツ赤、満貫テンパイ。

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