復活のレジェンド、馬場裕一 Mリーガーを相手に見せた昭和の手役麻雀 麻雀最強戦2021「ザ・リベンジ」観戦記【A卓】担当記者:東川亮

ただ、まずはテンパイしなければ話にならない。12巡目、小林から打たれた【8ソウ】を鳴けば、片アガリ三色のテンパイが取れた。

馬場は見向きもせずに山に手を伸ばす。やはりこの手は、馬場にとってはリーチなのだ。

しかし馬場の手はリーチまで至らず、最後は小林が寿人に差し込み気味に放銃し、寿人・小林が勝ち上がりを決めた。

馬場は結局、一度のアガリも放銃もなく、3位で今回の戦いを終えた。ときに効率を無視するかのような馬場の麻雀は、現代にはそぐわないのかもしれない。しかしそれでも、少なくとも筆者は、馬場の麻雀にワクワクした。「バビィ」は、健在だった。

馬場は最後のインタビューで「この3人と打てて、たぎってくるものがあった」「またこの場に戻ってきたいという気持ちになった」と語った。未だ体調は万全ではないかもしれないが、そうした思いをモチベーションとして健康を取り戻し、また元気に左腕をうならせ強者と打ち合うレジェンドの姿が見られることを、ファンの一人として心から願っている。

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