麻雀プロが本気で麻雀AI・NAGAに学んでみた~ 第3回「AIに場況判断や差し込みってできるの?」

元々の題材では上家/下家が両方とも早い巡目に【1ピン】を切っていたことが
場況判断に影響していたと考えられるため、まずはその内1枚の【1ピン】を字牌に変えてみる。

すると、ここでの判断も若干【1ピン】【2ピン】払い寄りに変化したが
未だに【6ソウ】【8ソウ】払いを推奨している。

では次は下家の2打目の【1ピン】も消してみよう。

この場合は【1ピン】【2ピン】払い推奨に転じた。
受け入れ枚数/変化枚数の差を埋めていた「場況」を
取り上げられてしまったら、素直に【1ピン】【2ピン】を切るべしと。

このように、NAGAは細かな他家の捨て牌から愚形の質を比較し、
立体的な判断を下すことができる。
平面の強さ/ミスの少なさは折り紙付きだが、
そこから発展した様々な要素を取り入れて進化するNAGA
見れば見るほど、「まだ自分のほうがNAGAより強い」と言い切れる自信がなくなってしまう。

疑問その2・アシストや差し込み

やれるらしい。早速以下のシーンを見てみよう。

NAGA3体vsで個室対局を行った時のシーンだ。
3着目が【白】をポンして打【5ソウ】

ペン【3ソウ】をチーして打【1ソウ】

【9ソウ】をチーして打【9ピン】

さて、この仕掛けに対してどう対処するのが良さそうかを考えてみよう。

まず点棒状況だが、南3局で自分は大きなトップ目
ここは局を消化することが自身のトップ率UPに大きく繋がりそうだ。

そのうえで自分の手牌を見てみると、面子が一つもなく役牌もない、
いわゆる「あがれなそうな手」だ。

この場合、「仕掛けている相手にわざと放銃することで局を潰す」、
いわゆる差し込みが有力な選択肢に上がると言えるだろう。

仕掛けを見ると、聴牌している場合の待ち候補として最も有力なのは
マンズ全てと筒子【5ピン】【8ピン】あたりか。
(最終手出しの【9ピン】はその前の【4ピン】と比べて安全度が高いため関連牌かは分からない)

そしてドラが【3マン】であることから、放銃時にドラを跨がない&放銃率が最も高い打【6マン】が最有力、と考えられる。
安い手に放銃して局を潰せる、コスパの良い差し込みだ。

NAGAの選択は打【6マン】
手牌を見ると【6マン】はアガリに向かうためには絶対に必要な牌であることから、
明確に差し込みにいっていることが分かる。

その後打赤【赤5マン】差し込みに成功。何が何でも局を潰してやるという強い意志を感じる。
ラス目の親からしたらたまったものではないだろう。

まとめ

NAGAは場況判断、他家操作といった立体的な判断にも対応している!

将棋の世界ではAIが人間を大きく通り越しており、その手順から学習することは
いまや普通のこととなっている。
そしてその波はきっと将来麻雀の世界にも…
と私は考えていたが、既に訪れているのかもしれない。

麻雀AIと融合し、地球最強の打ち手へと変貌を遂げるべく
研究を続ける多喜田の挑戦は、まだ始まったばかりなのである…

NAGA最新情報! NAGA式麻雀学習のススメ

私の仲いいプロ雀士・陵澤諭(おかざわゆう)プロが、以前こんなツールを開発していた。

https://twitter.com/youalphajan/status/1449170625684066308?s=20

NAGAと融合したいけど、今どれくらい融合できているのか分からない..
打牌の一致率を測定したいけど、数えるのは面倒くさい…

という悩みを抱えている人はいないだろうか? 私は当初悩んでいた。
一致率が一つのパラメータとして機能すると考えてはいるものの、
打牌数とミス数をいちいち数えるのはめちゃくちゃ面倒なのだ。

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