大きく点棒を
失っても平常運転!
小林の決して崩れぬ麻雀
文・危険な鬼太郎【月曜担当ライター】2022年2月28日
ここ数戦、各チームセミファイナルに照準を合わせドリブンズのポイントに合わせた麻雀を打つようにしている。
どのチームもドリブンズに厳しい打牌をする事はあれど、甘い打牌は決してしない。毎年そうではあるが、これがポイントも持っていないチームの苦しい所だ。
【2回戦】
東家:小林剛(U-NEXT Pirates)
南家:村上淳(赤坂ドリブンズ)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東1局 親・小林 ドラ
伊達がメンゼンで役無し聴牌をヤミテン。
のノベタン赤1。やを引いてのメンタンピンリーチ、もしくはを引いてのイッツーを理想としていたのかもしれないが、伊達は次巡
こののままツモ切リーチに踏み込む。1巡だけは打点向上を狙って手替わりを見たが、が多少自分の目からはよく見えるのでこの手形のままアガリを取りに行く。
そしてこれの伊達のリーチに追いついたのが…、
村上! ピンフドラドラ赤のの聴牌。伊達の河にはが通っているのでここは交わしに行く。ダマでもツモなら一盃口もついて跳満にもなる。
次巡、小林が伊達の現物のをそのまま河に捨て、
これが村上のロン牌。村上がピンフドラドラ赤の8000点をアガる。そして村上は次局の親番でも首尾よくリーチを打ち、これをすぐにツモ!
リーチツモ一盃口の2000オールのツモアガリ。東2局ながら、村上の雀力を加味すればここまで点棒を伸ばしたので十中八九2着以上は堅そうだなと私は思うが、チームのポイント状況的に2着は許されず、ここは是が非でもトップをチームに持ち帰りたい所。
東2局1本場 親・村上 ドラ
小林がいつも通りに1枚目のをポン!
中々この点棒状況からは鳴けない。これはラス目なのでこのを見送ってのメンゼンリーチで打点を見つつ、他家に先手を取られればの対子落としで降りるという手順しか踏みようがない手牌に見える。
しかしまぁ小林がこのを鳴く主張も理解できなくはない。この手牌は「鳴かないでメンゼンで進めた所で打点が付きにくく」かつ「この手形と巡目ならばを鳴けば大体アガれるだろう」という理由で鳴いたのだろう。
常人は他家からリーチがかかって、安全牌が鳴くなって降り打ちするのを恐れてこのは鳴けないのだが、小林は放銃する事を恐れていないから鳴ける。もっと言えば自分の守備力と読みに自信があるから鳴けるのだ。
小林は道中でドラのすらも叩き切って、
茅森にのホンイツドラ3の聴牌を入れさせたものの、これに小林は降りずにきっちりと攻め返し、
見事にをツモって300-500のツモアガリで局を流す。小林は安手でもきっちりサボらずにアガリを取りにいくので、他家は加点する事が出来ない。
東3局 親・茅森 ドラ
小林が鳴いて良い麻雀を見せれば、今度は伊達が鳴かずに素晴らしい聴牌を入れる。伊達は自分の目から3枚目のをチーしての聴牌を取らず、
メンゼンでを引き入れてリーチ宣言! のリーチタンヤオピンフ赤のマンガン確定のリーチ。さえチーしていれば二千点のほぼアガれそうな待ち聴牌が取れたが、伊達はあくまでもトップを狙いメンゼンに拘った。
これが功を奏し、数巡して伊達はをツモって
リーチツモタンヤオピンフ赤の2000-4000のツモアガリ。その後伊達は自身の親番で、
リーチツモ赤の2600オールをツモアガってトップ目に立ち、さらに小林も自身の親番でリーチを打ち、なんとこれを槓してリンシャンでツモる!
リーチツモタンヤオリンシャンで4000オール。その後も小林は順調に点棒を伸ばし続け、さっきまでラス目だったのにも関わらず、オーラスをトップを狙える2着目で迎える事になった。
しかしオーラスは茅森に放銃してしまい、伊達にトップの座を譲ってしまうことになった。
そして村上は東2局までの加点を守り切れず、悔しい3着になってしまった。
初年度でもかなり苦しい位置にいたものの、そこから猛チャージを掛けて優勝したドリブンズ。その再現をレギュラーシーズンで魅せられるか。
小説家に憧れる中で、競技麻雀に惚れ込んだ二十代。視聴者と一緒の視点に立ってわかりやすい記事を書いていきたい新人ライター。